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相場サイクルから読み解く 日本株が「逆金融相場」に転じる日

 さらに米国は10年間で1.7兆ドルの大規模インフラ投資、同じく10年間で1.5兆ドルの大規模減税など積極的な財政政策を打ち出しているため、業績相場の加速が見込まれている。トランプ大統領の言動であれだけ世界を揺さぶっているのに、ニューヨークダウが2万5000ドル台を回復し、ナスダック総合指数が過去最高値を更新しているのが何よりの証といえるだろう。

 日本をはじめとする金融相場では、基本的に株価は上昇基調にあり、買いで儲けられる期間といえる。そして現在の米国のような業績相場も企業業績という好調な実体経済に裏打ちされた株価上昇が見込めることはいうまでもない。

 問題はその先だ。まだ金融相場にある日本では先の話に聞こえるかもしれないが、業績相場はいつまでも続くわけではない。株式投資で大きなリターンを得ようとすれば、「買い時」はもちろん、「売り時」もあらかじめ想定しておく必要があるのだ。

相場サイクルの判断材料となる米国債「イールドカーブ」の動き

 では、どうすればその判断ができるのか。世界的な相場サイクルを判断するうえで有効な方法が、米国債の「イールドカーブ」を見ることである。イールドカーブとは1年以下の短期国債の利回りから10年ものといった長期国債の利回りをつなげたもので、「利回り曲線」とも呼ばれる。金融相場から業績相場に向かうような景気がよくなっていく過程では、景気回復への期待感から政策金利である短期金利よりも長期金利が上昇するため、イールドカーブは右肩上がりの曲線を描く。

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