中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

東大に入れないのならあえて大学に行かなくてもいいという意見

 外資系金融機関、外資系コンサルが高給取りということで、昨今は大人気ですが、東大出身者がこの少ない枠をかなり奪い取る。官僚になるにしても、東大生は圧倒的に省庁選びの際に有利です。ベンチャー企業の幹部として内定したり、起業した先輩の姿を見る機会も多いだけに、彼らは「一部上場企業や人気のマスコミ企業に行くのは最低ラインだけどね」というところから、将来のキャリア選びをスタートできるんですよね。

 それも、すべて「東大に入学するだけの“勉強”分野での圧倒的成功体験」がもたらしてくれるものです。私の知り合いの東大出身者を見まわしてみると、大企業や人気企業に就職し、着実に出世している人はうじゃうじゃいます。そして、それ以外で見れば、コンサルティング会社でキャリアをスタートさせてから、「プロ社長」として外資系企業の日本法人の社長の座に次々と就いていく人もいます。あとはフランスに居を移し、何やら儲かってるらしい人も。

 もちろん、「お前、東大なのに使えないな」などと言われてバカにされている人も何人かいますし、社内で出世していないことについて「オレは東大出身なのに出世していない。ウチの会社はバカな慶應閥だから、グヌヌ」と言う人もいる。しかしながら、とりあえず大学に入った後、もっとも多くの選択肢が与えられているのが東大生でしょう。そう考えれば、子供を大学に入れたいと考えるのなら、文系ならとりあえずは東大に入れることを考え、もしも受かる見込みがなかったら専門学校に行かせたり、職人の下で修業を開始したり、仲間と会社を作ってしまう、なんてことを18歳の段階で決めさせてもいい。

「○○大学に行ったから一生涯の恩人・友人に会えた」という反論もあるでしょうが、そうした「恩人・友人」は、同一人物とまではいわずとも大学に行かなくても会えるものです。少なくとも東大に入れなかった段階で、「それ以外の大学」「その他大勢」と乱暴に分類されてしまうリスクってものが存在します。ヘンな話ですが、大学に行かないことで、東大という最強ブランドと戦わないで済む人生になるんですよね。

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