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外山滋比古氏の「お金の整理学」 老後マネーを巡る新たな思考

 もちろん、多少の経済知識を身につける必要があるから、始める前に準備期間がいる。株に興味のある知人と勉強会を開いたりしながら、最初は値の低い株から買うのがおすすめだという。

「小さな損と得を繰り返すでしょうが、それでいいのです。仲間と時々集まって、結果を報告し合う。だんだん面白くなり、目が肥えてきます。何より、株投資を始めるなら相場が“下り坂”にある今がチャンスです。逆に“上り坂”の時は、大きな損をしがちなので注意が必要です。

 バブル期の1987年に鳴り物入りで売り出されたNTT株では、多くの初心者が損を抱えてしまいました。今、日本株の相場は伸び悩んでいるし、2020年の東京五輪後はさらに下がるはずです。その時に有望な株をうまく買えれば、4~5年で相当な利益が出るのではないでしょうか。数年後に有望な株を見分けられるよう目を養うには、1年や2年はかかるでしょうが、人生は長くなったのだから、ゆっくり学んでも間に合います」

 株以外にも、年金以外の収入を編み出せればなおよい。たとえば、「趣味」から発想を広げてみるのも一手だ。

「“趣味はお金がかかる”というのも、思い込みです。“趣味で稼げる”と思考を変えてみてください。山登りが趣味の人は、ガイド役の仕事を探してみる。初心者の案内役を務めながら、空いた時間で自分でも楽しむ。どんな趣味でも、自分よりも後に始める人はいる。そういう人たちに手ほどきをする仕事であれば、少し訓練すれば収入になることもあります。

 女性の方が長く生きる。だからこそ、蓄えを取り崩すだけのつまらない老後を送るのではなく、工夫して面白く収入を得る方法を考える。それができれば、どれだけ年をとっても人生は面白いと思いますよ」

※女性セブン2019年1月3・10日号

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