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年金、受給額を増やそうとすると生涯収支で損をする落とし穴

 64歳までの在職老齢年金制度は月給と年金の合計が28万円を超えると超過分の半額が年金支給額から減額される。月給(25万円)+年金の特別支給(10万円)で収入の合計が35万円のAさんは63歳からもらえる特別支給年金が毎月3万5000円、2年間で84万円減らされる。対して、Bさんは厚生年金を脱退しているため減額の対象外なのだ。

 結局、生涯の収支で比べると「年金を増やしたい」と考えたAさんより、「年金は増えなくてもいいから保険料を余分に払いたくない」と考えたBさんの方が約93万円も得するのである。

 ちなみに、Bさんが選んだ「業務請負契約」以外にも、厚生年金に加入しない働き方は可能だ。従業員501人以上の会社では週20時間未満、月給8万8000円未満であること、500人以下の企業(※注)ではフルタイムの雇用者の4分の3未満の労働時間で働く。このいずれかを満たせば厚生年金に加入しなくてもよい。

【※注/厚生年金加入の「労使合意」がされていない企業の場合】

 定年後にフルタイムで働いて保険料を納めるより、週3日など時短勤務でのんびり働き、厚生年金脱退の道を選ぶのも有効な働き方改革になる。

※週刊ポスト2019年4月12日号

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