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「ニコ動離れ」はなぜ止まらないのか? 古参ファンの本音

 クリエイターの収益を確立させる仕組みづくりの遅れも影響しているようだ。3DCG制作ツール「MikuMikuDance」を使用した動画MMDの投稿経験があるBさんは言う。

「MMDに限らず、作り手や生主たちが、動画再生数が伸びて収益率も高いYouTubeに主戦場を移していった気がします。事務所からスカウトを受けたという声も聞きます。ニコ動にもクリ奨(クリエイター奨励プログラム)がありますが、その複雑さと不透明さも課題。今からでも、もっと動画制作者に親切かつ好待遇の収益の仕組みをつくるべきです」(Bさん)

 クリエイター奨励プログラムは、2011年12月に開始。ユーザーが投稿した作品の人気度などからスコアが算出されることで、奨励金として支給される仕組みだ。2017年10月からはニコニコ生放送も報酬の対象になった。奨励金の原資は、プレミアム会員収入や再生前動画広告の売上だ。だが、皮肉にもこのプログラムが、ニコ動の雰囲気を変えてしまったという。

「ニコ動の良さというのは、踊ってみたや歌ってみたでも生配信でも、その“素人感”というか、“まだ世に出ていない感”でした。編集テクとか、音を外さなくなったとか、そんな成長の過程がわかるからこそ、熱心に応援していた人もたくさんいたものです。お金が支払われ始められてから、以前より完成度の高い動画が増えて、ニコ動の雰囲気は変わっていったと思います」(Bさん)

「VTuber」での復活に期待する声も

 サービス開始当初のβ時代からの古参ファンである30代男性会社員・Cさんは、「コメントに対する認識の違いが生まれている」と話す。ある意味動画の一部として機能していたコメントが、他サイトのような“単なるコミュニケーションツール”に変わってきているというのだ。

「昔のニコ動は、素晴らしい歌詞や弾幕をつくる職人がいたし、赤コメの質・タイミングともに良かった。動画はコメントを含んだ作品だったんだと思います。今のニコ動では、その文化が失われつつある。慣れの問題ではありますが、ユーザーが昔のようなコメント込みの一体感を求めていたとするなら、ニコ動から離れていくのは必然だと思う」(Cさん)

 だが、ここ数年で爆発的な勢いを見せる「VTuber」には希望を感じている。なぜなのか。

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