キャリア

老後の資産運用の境界線は「年金26万円以上」「貯金1300万円以上」

万一の備えの貯蓄まで投資に回さないようにするためには(イメージ)

万一の備えの貯蓄まで投資に回さないようにするためには(イメージ)

 リタイア後は、生活を年金や貯蓄に頼ることになる。老後資金を守るため「投資」を検討するのは自然なことだろう。

「定年時にまとまった退職金は出ましたが、超低金利で銀行に預けても利息はほとんどつかない。貯蓄を投資に回して少しでもお金を増やしたいが、経験が乏しくなかなか踏み出せなくて……」(68歳男性)

 だが投資は“打ち出の小槌”ではない。

「最初にやるべきは、自分の老後にいくらかかるかを知ることです」と助言するのは、くじらやFPオフィス代表でファイナンシャルプランナーの日野秀規氏。

「総務省の家計調査報告によると、65歳から69歳までの無職世帯(夫婦2人)の消費支出は月額およそ26万円です。年金など月の収入がこの額を上回るなら、差額をある程度リスクのある投資に回すことができます。これなら万が一投資に失敗した場合でも生活への影響は小さい」

 投資の境界線は年金を含めた月収「26万円」が基準になるという指摘だ。高齢者世帯の生活費(消費支出)は年齢が上がるにつれて少なくなるので、その分、投資に回せる額も増える。

 もう一つの判断基準は貯蓄額だ。ポイントは“不意の出費”に備えていくらの蓄えが必要になるかである。

「高齢者の場合、寿命を迎えるまでにかかる医療費、介護費、葬祭費を生活費と別に準備しておく必要があります。各種の統計や調査から推計したところ、老後の夫婦は医療費200万円、介護費996万円、葬祭費100万円の合計1300万円程度の出費が必要になります。これは残しておく必要があるお金なので、貯蓄がそれ以上あるなら、上回る金額を投資に回すことができます」(同前)

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。