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経済的状況による「健康格差」、低所得者ほど肥満になりやすい

穀物の摂取量、喫煙習慣、検診未受診…

 お金持ちは高カロリーなおいしいものをたらふく飲み食いするから、生活習慣病になりやすい──こんな話も今は昔。

 実際のデータをひもとくと、年収と肥満率は反比例し、年収が低い人ほど、肥満の割合が高いという。

 2015年に発表された厚生労働省「国民健康・栄養調査結果」によれば、所得が600万円以上の世帯に比べて、200万円未満世帯の人は、肥満の割合が高いことがわかった。問題はそれだけではない。低所得世帯の人は「穀類の摂取量が多く、野菜類や肉類の摂取量が少ない」「習慣的に喫煙している者の割合が高い」「健診の未受診者の割合が高い」「歯の数が20本未満の者の割合が高い」ことも明らかになっている。近藤さんが続ける。

「バランスのいい食事を作ろうとすれば、何種類も食材が必要になるため、どうしても食費がかかる。金銭的に余裕がないと、食事の選択肢が限られてしまいます。国民健康・栄養調査によると、低所得の家庭では野菜の摂取量が少ない。例えば、安くてカロリーの高いインスタント食品や菓子パンなどですませていると、自然と野菜の摂取量は減り、穀類の摂取量が増えます」

 さらに異常気象によって野菜価格が高騰すれば、野菜の登場回数はどうしても少なくなる。家計に余裕がなければ、食卓に野菜を並べるのが難しいことは容易に想像がつく。実際、今年の夏は日照不足により東京都内のスーパーではきゅうりやなすの値段を2倍近くに値上げしたところもあった。

 子供がいる家庭の場合はさらに深刻だ。

「65才以上の男女1万9920人を対象に、子供の頃の社会経済的状況と高齢期になってからの野菜・果物摂取頻度の関連を分析した結果、子供時代に貧しい家庭で育った人は、高齢期に野菜不足になるリスクが1.4倍と高いことがわかりました。子供は親が用意した食事をモデルに育つので、野菜が少ない家庭で育った人は、成長してからも野菜不足の食生活を続けてしまいがちです」(近藤さん)

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