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田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国「独身の日」、アリババ天猫の取扱高は楽天の年間取扱高を超える

「独身の日」のバーゲンセールはどれほど凄いのか(中国・杭州)

 今年も11月11日、「独身の日」の中国EC取扱高は、記録的な規模となった。アリババのECサイト・天猫では、セール開始の午前零時からわずか1分36秒で100億元(1560億円、1元=15.6円で換算、以下同様)の取扱高を突破。100億元までの達成時間は年々短くなっている。2016年は6分58秒、2017年は3分1秒、2018年には2分5秒であった。

 この日の天猫を通した取扱高は2684億元(4兆1870億円)となり、前年と比べて26%増加した。ちなみに、楽天が2018年10-12月期から2019年7-9月期までの12か月間に記録した国内EC流通総額(取扱高)の合計は3兆7808億円。天猫はわずか1日で楽天の年間取扱高を大幅に超えた格好だ。

 天猫が独身の日にセールを始めたのは2009年である。それから11年が経過したが、セールは国内EC業者全体に広がっている。また、ユーザーは中国国内のみならず東南アジア諸国、さらには世界各国にも広がりを見えている。ECによる小売り業態の構造転換は現在も、グローバルに急ピッチで進んでいる。

 中国の景気減速が顕著となっているが、そうした中で個人消費への期待が高まっている。1-9月期における最終消費支出の経済成長への貢献率は60.5%で1-6月期と比べ0.4ポイント高まっている。

 1-9月期における社会消費品小売売上高は8.2%増だが、全国実物商品インターネット小売売上高は20.5%増であった。全体の小売売上高の19.5%を占め、伸び率は12.3ポイント上回っている。EC取引の拡大が消費をしっかりと牽引している。

 中国におけるEC取引の急成長は、ただ単に、人口が多い上に、所得水準が高まっているからだけではない。その背後には通信網、交通網などのインフラの充実、多様な関連技術の進歩がある。

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