住まい・不動産

都内乗り入れで注目の「相鉄」沿線 一方、横浜には負の影響も

相鉄沿線住民以外は何が変わる?

 正直、相鉄沿線はこれといった見どころに乏しく、都内在住者が訪れるとすれば、動物園の『ズーラシア』ぐらいでしょうか。しかも駅からはかなり距離があります。

 一方、二俣川の免許センターに行くのは、かなり便利になります。神奈川県の免許センターは二俣川にしかなく、住んでいる場所によっては行くのがかなり面倒でしたが、直通運転により、県北部の住民が免許センターに行くのは相当楽になりそうです。

 また、東急との直通運転が始まる折には、日吉から新たな連絡線が作られ、新横浜付近に駅ができます。渋谷から乗換なしで新幹線駅の新横浜駅にアクセスできるのは、多くの人にとって嬉しい情報でしょう。

ダイレクトで都内に行けるということは…

 相鉄沿線住民としては、遊びやショッピングの選択肢に都内が加わるのは歓迎すべきことですが、懸念事項として横浜駅の求心力低下が浮かび上がります。直通運転が始まれば、これまで横浜を通過して東京方面に向かっていた乗客は、一斉に直通ルートを使うはず。これまでのように横浜で途中下車してショッピングするような乗客は減るでしょうし、直通ルートの利用客は、横浜へ定期で行けなくなるので、休みの日でも都心に人が流れるのは確実です。

 横浜駅周辺ではそごう、高島屋、ジョイナス、モアーズ、ビブレ、ルミネ、マルイ、ポルタなど、多数の商業施設がしのぎを削っており、さらに高層ビルのJR横浜タワーもまもなく開業する予定ですが、今回の直通運転開始で、横浜駅の利用客が減ることがあっても増えることはありません。横浜駅の乗降客数は首都圏で4位。一日中、多くの乗降客で混み合っており、横浜駅ユーザーは、利用者減は大歓迎かもしれませんが、商業施設にとっては痛手です。

 相鉄としても、横浜駅の空洞化は望むところではないでしょうが、何も手を施さなければ、いずれ商業施設の淘汰が起きるのは必至。都心乗り入れにより、新たなブランドイメージの創出が可能な相鉄ですが、横浜にも人を呼ぶ作戦を展開する工夫が求められそうです。

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