マネー

コロナで延期される納骨法要 納骨堂では“エア法要”の実施も

 もっとも、門を閉じずに、細々と開館を続けてきた寺や納骨堂は数多い。「新宿瑠璃光院」(渋谷区)もその1軒で、業務統括推進本部部長の木下尚子さんは、「住職の『どのような時も、開けておくのが寺の務め』との考えから、門は開け続けています」

 新宿瑠璃光院は、浄土真宗東本願寺派・光明寺(岐阜県)の東京本院。日曜礼拝、終活セミナー、坐禅など館内で行ってきたイベントをいち早く中止した上、緊急事態宣言後、予約が入っていた法要の施主に意向を尋ね、延期を促した。

 その際に多かったのは、納骨法要を予約していた人からの「延期して、お骨を家に置いておいてもバチは当たりませんか?」という質問。

 僧侶らが、死者は皆平等に浄土に招かれるという浄土真宗の教えを説明し、「バチは当たりません」と答えると、安堵の声が聞かれた。納骨を百箇日法要やお盆の時に延期してはどうかと提案した。

「ただし、私どものほうで、“エア法要”を行っています」と、副住職の永樂達信さん。延期もしくは中止になった法要の日、曰く「勝手に」読経しているのだという。「坊さんというのは、頼まれなくともそういうことをやりたくなるものなのです」(永樂さん)

 お墓参りに訪れる人は通常時より減ったが、それでも1日に10数人はやって来ているという。さらに、「お急ぎの事情がおありなんでしょう。この時期にも、納骨堂の見学者も来られています」と木下さん。見学者には、2mほどの間隔を置いて堂内を案内し、近距離でパンフレットを見せるのを避け、教室のようにホワイトボードを使って説明しているそうだ。

※女性セブン2020年6月11日号

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。