年末ジャンボを求めて『西銀座チャンスセンター』には長蛇の列(写真は1997年撮影、時事通信フォト)
また、あまり知られていないが、1976年の年末ジャンボ宝くじの福岡市と松本市の売り場で、デマにより群衆が窓口に殺到。各1人が死亡、30人以上が負傷という衝撃的な事件もあった。
「つまり、日本人が行列好きとか、常に整然と並ぶ、とも限らないのです」(堀井さん)
トレンドウオッチャーのくどうみやこさんは、「宝くじを買うために、わざわざいちばん混む1番窓口に並ぶ点はほかにない光景」と語る。
1996年発売の『たまごっち』は約2年で4000万個が販売され、国内外でブームに(C)BANDAI, Wiz(画像提供/バンダイ)
「ファッションでは『H&M』、ゲームでは『たまごっち』、本では村上春樹作品への行列が印象的でした。振り返ってみれば、その種類は【1】深夜発売に同好の士が集まる“お祭り要素”の行列、【2】限定品や裏原系レアものなど“希少性狙い”の行列、【3】流行に敏感な“SNSのネタ的トレンド系”の行列、【4】マスクなど“品薄のもの”を買う行列、などに大別できます。
その行列が長ければ長いほど、いち早く目的を達成したときの優越感は格別なのだと思います」(くどうさん)
人々が欲しいものへの熱量を可視化できる現象だからこそ、行列はおもしろいのだ。
2009年に『H&M』渋谷店がオープンした際の様子
2009年発売の村上春樹著『1Q84』も話題に
※女性セブン2020年9月3日号