こんなに広い開墾はしないとしても、安心はできません。水源涵養や土砂崩れ防止目的で保安林の指定があると、立木の伐採すらも許可なくできないのです。例外は林業者が事前届をして行なう間伐などだけとなります。
保安林に指定されると、登記上に表示されるのが原則ですが、一筆の土地の中に保安林が指定された場合、登記されません。山林を買うときは、登記簿だけでは確実ではなく、農林事業所などが保管している保安林台帳で、保安林指定がないかを確認すべきです。
山の「切り売り」とのことですが、実績のある信頼できる業者が土地の権利関係を処理し、利用に支障がないことを保証しているかなど、慎重に検討してください。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2020年11月20日号