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私も山を買いたい! 登記や隣接地との境界など気をつけるべき点は?

“山の購入”にあたっては様々なリスクも(イメージ)

“山の購入”にあたっては様々なリスクも(イメージ)

 キャンプブームも影響し、“山の購入”に注目が集まっている。芸能人でも、ヒロシがソロキャンプを楽しむために自分で山を購入したことなどが知られているが、はたして個人が山を購入するにあたり、どんなことに気を付けるべきか。弁護士の竹下正己氏が、実際の相談に回答するかたちで解説する。

【相談】
 最近は“三密”を避けられるため、山を購入する人が増えたとか。調べてみると、山全体を購入しなくても「切り売り」しているようで、普通の土地を買うより格安みたいです。となれば、私も買ってみたいと思っているのですが、安いといっても土地ですし、山の敷地を購入する際の注意点などを教えてください。

【回答】
 山の売買は、まず登記が確実にできるか心配です。山林は相続する実益に乏しいため、往々にして何代も前の人の登記名義のままになっていることがあります。その場合、代金は売主が相続登記を経て、現在の権利者になることを確認してから支払う条件にしないと、後で覆されるリスクがあります。

 山は広大で、隣地との境界も谷筋や尾根が目印というケースが多く、隣接地所有者の境界認識と違うこともあります。境界は問題なくても、実測面積が登記簿上の地積と大きな違いがあることも稀ではありません。土地の一部を買うには分筆登記が必要ですが、土地の測量には大きな費用が掛かるので、その負担も注意点です。

 次に、使用上の制約に気をつけてください。森林法という法律が山林を保護していますが、この法律に基づき、都道府県は地域森林計画を定めます。例えば、東京では八王子市の西側部分から始まり、奥多摩町までの大半の山が、その対象地になっています。計画対象地では許可なく1ヘクタール(1万平方メートル)以上の開墾などの開発行為はできません。

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