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「父は失業、私は専門学校を退学」コロナ困窮で虐待・自殺者も激増

景気後退の“しわ寄せ”は弱者を直撃(緊急事態宣言下の閑散とした銀座、時事通信フォト)

景気後退の“しわ寄せ”は弱者を直撃(緊急事態宣言下の閑散とした銀座、時事通信フォト)

 コロナ禍により、2020年は激動の一年となった。特に、全国を対象に緊急事態宣言が発出された4月16日以降は、人々の生活は大きく変わった。不要不急の外出自粛が叫ばれ、多くの企業が在宅勤務を推奨し、子供も大人も巣ごもり生活を余儀なくされるようになった。在宅勤務を推進するテレワークマネジメント代表の田澤由利さんが話す。

「緊急事態宣言下では、大企業のおよそ8割、中小企業でも半分ほどが何らかの形で在宅勤務を取り入れていました。コロナ前のテレワーク人口は、男性よりも女性の方が多かった。子育てや介護を担っている30~50代の女性が在宅勤務を選んでいたためです。それが、今回のコロナ禍で、年齢も性別も関係なくテレワークを求められた。

 それまでは在宅勤務を“子供や親の世話をする女性社員のための制度”と捉えていた企業も、急ごしらえでテレワーク環境を整える必要に迫られ、働く人の3割、実に1000万人以上がテレワークを行っていました」

 この大規模な“実証実験”でわかったのは、「在宅でも問題なく仕事ができる」ということだ。東京女子大学教授の橋元良明さんが話す。

「テレワークにすれば、通勤・出張費のほか、オフィスの家賃や電気代、コピー用紙代など、経費を大きく削減できることがわかった。オンライン会議も、移動時間がかからずスケジュール調整が簡単になるなど、多くのメリットが得られます。業種による制限や課題はありますが、今後も一部ではテレワークは続くと思っていい」

 事実、緊急事態宣言解除1か月後にテレワーク率は下がったものの、3か月後には再び上昇したというデータもある。

 11月27日付の読売新聞では、静岡県熱海市の不動産が、まるでバブル期の頃のような特需になったと報じられ、話題を呼んだ。通勤や出社が不要になったことで、感染リスクの高い大都市を離れ、自然豊かな“とかいなか”へ移住を望むテレワーク人口が増えているのだ。9月から静岡県で暮らし始めた淡路真理子さん(36才・仮名)が話す。

「夫婦でIT企業に勤めており、3月から全社在宅勤務になりました。どうせなら、殺伐とした都会よりものんびりした田舎に引っ越した方が、子供にとってもいいと思い、思い切って移住を決めました」

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