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鉄道と震災秘話 JR東日本の早期復旧を実現させた鉄道関係者の「支援の輪」

2021年3月31日 16:00 マネーポストWEB

1日約8500人が復旧作業にあたる

 このほか、京浜急行電鉄と西日本鉄道も支援に名乗りを上げた。JR東日本と営業エリアが重なる京浜急行電鉄はともかく、東京から1000km以上離れ、福岡市内に本社を置く西日本鉄道の名前を聞いて意外に思う人は多いだろう。

 両社が支援したのは、東北新幹線の復旧に必要な検査測定用の車両や機器。東北新幹線の左右のレール幅は1.435mと、在来線や大多数の私鉄で採用されている1.067mよりも広く、JR東日本が困っているからといって保有している車両や機器を貸しても役に立たない。しかし、京浜急行電鉄と西日本鉄道は、ともに左右のレール幅がJR東日本と同じ1.435mの線路で営業を行っているため、名乗りを上げたのだ。

 支援の範囲を鉄道関係者まで広げると、東北新幹線の盛岡-新青森間の建設を担当した独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構も約50人、JRグループで鉄道専門の研究機関である公益財団法人鉄道総合技術研究は12人の人材を派遣。さらに、JR東日本と関係の深い大林組や鹿島建設、清水建設、仙建工業、第一建設、東鉄工業、日本電設工業、日本リーテックなどの建設会社(50音順)も続々と手を挙げた。これら企業の社員のなかには、自身や家族が被災するなか、「鉄道を1日も早く元の姿に戻したい」と駆けつけた人も多かったという。

 甚大な被害を受けながらも、49日後の4月29日には東北新幹線の全線で運転が再開。1995年の阪神・淡路大震災の時は81日、2004年の新潟県中越地震の時は66日であったから、いかに復旧が早かったかわかるだろう。その理由としては、先に起きた大震災の経験が生かされたこと、特に建造物の耐震基準が引き上げられたり、復旧を迅速に行える工法が開発されたことなどが挙げられる。

 だが、やはり大きな力となったのは、JR東日本の社員をはじめ、一番多い時には支援先を含めて1日に約8500人もの人たちが復旧作業に従事したことだろう。所属が異なる人たちが鉄道の復旧のために力を合わせる様子はまさに、鉄道でつながった「家族」そのものだったと思う。

【プロフィール】
梅原淳(うめはら・じゅん)/鉄道ジャーナリスト。大学卒業後、三井銀行(現在の三井住友銀行)入行。雑誌編集の道に転じ、月刊「鉄道ファン」編集部などを経て2000年に独立。現在は書籍の執筆や雑誌・Webメディアへの寄稿、講演などを中心に活動し、行政・自治体が実施する調査協力なども精力的に行う。近著に『新幹線を運行する技術 超過密ダイヤを安全に遂行する運用システムの秘密』がある。

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