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夫婦でサ高住に入居した70代男性 経営母体変更でサービス大幅劣化の涙目

 賃貸物件では高齢者の入居が拒否されるケースも少なくないため、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に住み替える人も増えている。神奈川県在住の70代男性はそのひとりだ。

「サ高住なら快適で楽な生活ができると思い、夫婦で入れるところを探していたら、運良く気に入るところが見つかりました。ところが、入居後ほどなくして経営している会社が倒産。経営母体が変わると急に食事の質が落ち、掃除も行き届かなくなってしまった。できれば別のサ高住に引っ越したいのですが、すぐにいいところが見つかるか分からない。本当に気が滅入ってばかりです」

 サ高住では、介護サービスなどを過剰に提供して事業者が利益を得る不適切なケースもあり、厚労省は今年4月、監視強化のためのシステムを10月にも導入することを発表したばかりだ。前出・高室氏が語る。

「2019年度はサ高住の倒産や廃業が53施設にのぼり、過去最多を更新しました。多くの場合は新たな事業者が経営を引き継ぎますが、なかには施設が閉鎖されてしまい強制退去というケースもある」

 何度も引っ越すとなれば、費用負担はどんどん増える。ダウンサイジングには、そうしたリスクもあるのだ。

※週刊ポスト2021年5月21日号

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