吉田みく「誰にだって言い分があります」

巣ごもり騒音への苦情で引っ越した30代主婦 「コロナさえなければ…」の憤り

マイホームの夢が遠のいてしまった(イメージ。Getty Images)

マイホームの夢が遠のいてしまった(イメージ。Getty Images)

 新型コロナウイルスの感染拡大阻止を至上命題とする政府の緊急事態宣言は、沖縄県を除き解除された。日本でもワクチン接種が進み、人々の経済活動は活気付いてくることが予想される。しかし、同時に変異ウイルスの感染も広がっており、いまだ脅威は去っていない。コロナ禍が長引くなか、生活面での心労が限界に達しつつある人たちもいる。ステイホーム中の生活音にマンション住民から苦情が来たことをきっかけに引っ越しを決意したという30代の母親に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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 新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で、不要不急の外出を控える日々が続いている。おうち時間を充実させるために、工夫している人も多いのではないだろうか。

 一方、誰もが自宅で過ごす時間が増えたことで、近隣の騒音問題がトラブルに発展するケースも増えている。自粛など制限の多いコロナ禍だからこそ、普段よりも一層、音に対して敏感になってしまうのかもしれない。

 都内在住のパート主婦、原田ななさん(仮名・34歳)は、ステイホーム期間中にご近所トラブルに遭ってしまったことを話してくれた。夫と3歳、1歳の息子の4人家族である。

「緊急事態宣言発令で、休日は自宅で過ごすことが大幅に増えました。息子たちのためにおもちゃを色々と買いましたがすぐに飽き、部屋中を走り回って大騒ぎ。声のボリュームを下げるよう伝えてはいましたが、幼い子供たちにはあまり理解できなかったようです……」(原田さん、以下同)

 原田さん一家が住んでいたのは、同棲時代から借りていた1LDKのマンションで、単身者が多い印象とのこと。4人家族では手狭だと思っていたが、マイホーム資金を貯めるため、住み続けていたそうだ。

「ある日、管理会社から電話が来て、我が家の生活音で困っている住民がいると報告を受けました。改善しようとジョイントマットを2重に敷いたり、子供をきつく叱ったりしましたが、1週間もしないで再度連絡が入ったんです……。夫と話し合い、引っ越すことにしました」

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