「おでん」「コーヒー」「フライドチキン」など独自の看板商品を生み出して「国民的ブランド」となったコンビニに、また新たな風が吹こうとしている。業界で“タブー”と囁かれる商品の販売に乗り出したのは、コンビニの雄、セブン-イレブンだ。
いまSNSで話題を集めているのが、セブン-イレブンの一部店舗で販売開始した「お店で揚げたカレーパン」。
パン売り場にある袋入りのカレーパンではなく店舗で揚げたものを、いわゆる“レジ横”のホットスナックのケースに陳列したもので、税込み149円。東京、神奈川、東海の一部店舗で6月末から販売開始されており、〈ついに販売決定!〉〈お店調理なので表面カリっとサクサク! 中身も野菜の旨みたっぷりのカレーです〉などと貼り紙で大々的に告知している店舗もある。
セブン-イレブン・ジャパンに問い合わせると、「地域も限定的な商品のためリリースは出しておりません」(広報)とのことで、詳細は明かされず。だが、SNSでは〈セブンイレブンのホットスナックコーナーの揚げたてカレーパンめっちゃ美味しい〉〈何コレ!?革命か!?〉〈衣サクサクで生地もちもち〉と、さっそく食べてみた人たちの声が続々とあがっている。
テスト販売自体が取りやめに
コンビニのレジで「あと一品」とつい買ってしまうのが“レジ横”の商品だが、これまでコンビニ業界は成功と失敗を繰り返してきた。
2010年代前半にコンビニ各社が本格展開したカウンターコーヒーは大ヒット商品となり、現在も人気は続いている。
フライドチキン分野でも、ファミリーマートの「ファミチキ」やローソンの「からあげクン」など主力商品に成長したものが多い。今年3月にファミマの創業40周年企画で登場した「クリスピーチキン」は売り切れ続出による販売休止がニュースになったほどだ。
一方、苦汁をなめたケースもある。最近ではセブンが2018年7月にサーバーから注ぐ「100円生ビール」のテスト販売を予定し、注目を集めた。
しかし飲酒運転の増加につながるといった懸念の声があがりテスト販売自体が取りやめに。コンビニで買える本格的な「生ビール」は泡と消えてしまった。