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【日本株週間見通し】日経平均は堅調か 企業決算の発表も一巡

日経平均は心理的な節目の28000円を回復

日経平均は心理的な節目の28000円を回復

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の8月10日~8月13日の動きを振り返りつつ、8月16日~8月20日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は堅調に推移し、心理的な節目の28000円を回復した。日本の3連休中、米国で6日発表された7月雇用統計において非農業部門雇用者数は市場予想を上回る大きな伸びを示した。新型コロナウイルス・デルタ型の感染拡大が懸念されたが、労働市場の改善期待を受けて米10年国債利回りが1.3%台にまで上昇するなか、NYダウは堅調に推移。こうした流れを好感して、連休明けの東京市場でも景気敏感株を中心に買いが優勢となり、10日の日経平均は一時28128.61円まで上昇した。しかし、戻り待ちの売りから急失速すると、結局68.11円高の27888.15円で終えた。

 ただし、1兆ドル規模の超党派のインフラ投資法案が米議会上院で可決されたことや、原油高が支援する形で、週明けのNYダウが史上最高値を更新すると、11日の日経平均は朝方に28146.68円まで上昇し、その後も底堅く推移。4日続伸の28070.51円で終え、7月16日以来となる終値での28000円維持に成功した。

 7月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、インフレ過熱や連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の早期縮小への懸念が後退すると、12日には、日経平均は28279.80円とさらに上値を切り上げた。ただ、前日までの上昇の反動や根強い戻り待ちの売りに押され、後半にかけて失速すると、55.49円安の28015.02円と5日ぶりに反落した。

 週末は、28000円を挟んだ一進一退が続いていたが、引け間際の売りに押され、小幅ながら28000円を割り込んで終えた。景気敏感株を中心に第1四半期好決算や通期計画の上方修正などが引き続き確認されていたことから、好業績銘柄への買いや日本株の出遅れ感からの買いが全体を下支えした。一方、前日の国内の新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多を更新したことに加え、投資判断引き下げ観測の米マイクロン・テクノロジーが大幅安となった流れで半導体関連株が大きく値を崩していたことも重しとなった。

 今週の日経平均は堅調か。企業決算の発表が一巡し、決算トレードの動きも一先ず落ち着きそうだ。外部環境の不透明要因を抱えるなか、全体の方向性は引き続き明瞭さに欠け、目先は、好決算ながらも出尽くし感で売られた銘柄の買い戻しなど、決算トレード直後の水準訂正の動きなどにとどまりそうだ。

 日本国内で連日過去最多を記録する新型コロナウイルスの新規感染者数を受け、東京都のモニタリング会議では専門家から「災害レベルで猛威を振るう非常事態」と強い危機感が示された。一方、新規感染者数は英国がピークアウトし、米国も足元がピークとの見方があるもよう。日本でも間もなくピークを迎えるとの声も聞かれ、経済活動正常化への期待は根強い。しかし、少なくとも新規感染者数の増加ペースが加速している中では、海外投資家による本格的な日本株の買いは期待できない。

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