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コロナ収束後に迫る地獄のような経済危機 失業率5~7%も視野

コロナ禍の失業者や生活困窮者を支援する相談会も開かれている(写真は2020年12月/共同通信社)

コロナ禍の失業者や生活困窮者を支援する相談会も開かれている(写真は2020年12月/共同通信社)

「にもかかわらず、自民党総裁選の4人の候補者は経済回復について語っていません。短期的な財政出動の可能性には言及するものの、基本的に全員が財政引き締め派で中長期的にプライマリーバランスの均衡を目指しています。しかしこの状況で財政や金融を引き締めたら、日本には地獄が待っている。失業者があふれ、自動的に自殺者も増えるはずです」(森永氏)

増える「絶望死」

 コロナ経済の時代に心配されるのは、自らの意思で命を絶つことだけでない。立命館大学先端総合学術研究科の美馬達哉教授は、「絶望死」の増加を危惧する。

「絶望死は、2015年にノーベル経済学賞を受賞した米国のアンガス・ディートン氏が提唱した概念です。自暴自棄になって薬物やアルコールに走って体を壊して亡くなったり、鎮痛剤などを過剰に服用して亡くなるといった精神的な絶望を背景とする死について、自殺と同じように特定の社会状況が招いた死としてカウントするとの考えを指します。ほかにも、無謀運転の自損事故での死なども絶望死の一種かもしれません。

 コロナにおける失業や経済格差は絶望死を招くものであり、今後の日本では一般的な自殺だけでなく、こうした絶望死が増えることが懸念されます」

 近い未来に、コロナよりもコロナ経済によって殺される“犠牲者”たちが増えるかもしれない。

※週刊ポスト2021年10月8日号

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