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借金を作り勘当された50代兄 相続手続きで連絡すると「ハンコ代寄越せ」

 ハンコ代? そんな言葉を誰から聞いたのか……。司法書士の友人に聞いたところ、印鑑登録証明書を発行する“手間賃”のことなのだそう。遺産分割に非協力的な相続人には、ハンコ代という名のお金を払って協力してもらうんですって。つまり、手続きしてやるから、遺産とは関係なくお金を払えってこと。

 ハンコひとつ押すのに20万円なんて高すぎるって、頭にきましたが、背に腹は代えられない。手続きが終わってから送金することを条件に、手切れ金代わりに払いました。もう二度と兄とはかかわりたくありません。親が兄を勘当してくれていたことが最大の遺産です!

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非協力的な親族の場合“ハンコ代”で済むならアリ

 こうした状況に詳しい吉澤相続事務所代表取締役・吉澤諭さんがアドバイスする。

「相続人の1人が、遺産分割協議書にハンコを押してくれない場合、ハンコ代を払って済むなら、その方が簡単です。なかには一切連絡を絶つ相続人も。その場合、家庭裁判所に調停を申し立てるしかありません。調停でも話し合いが成立しなければ、審判に移行してさらに手間と時間がかかります」

【プロフィール】
江本圭伸さん/実家相続介護問題研究所代表、不動産相続コーディネーター。宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士などの資格を保有。相続財産の中でも不動産を中心に、全国から相続トラブルの電話相談を受けている。

吉澤諭さん/相続や事業継承を専門とする吉澤相続事務所代表取締役。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、社会保険労務士などの資格を持ち、4200件以上の相続相談を受けてきた。近著に『34の発言から問題をキャッチ!トラブルの芽を摘む相続対策』(近代セールス社)。

取材・文/桜田容子

※女性セブン2021年11月4日号

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