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大前研一氏 日本人の英語力が貧弱なのは間違った文科省教育のせいだ

2021年11月12日 15:00 週刊ポスト

 2020年4月からは文部科学省の「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」なるものに基づき、小学校で英語の授業が3・4年生を対象に必修化、5・6年生を対象に教科化された。今後は最長14年間も英語を学ぶわけだが、その効果は期待できないどころか、英語が苦手になる年齢を引き下げるだけだろう。

 英語で経営コンサルティングの仕事や執筆・講演活動をやってきた私に言わせれば、日本人の英語力が貧弱極まりないのは“英語脳”がないからではない。今の文科省の学習指導要領に基づいた英語教育が間違っているからである。したがって、学校の英語教育を根本から変えるべきなのだ。

 そもそも英語を受験対象の「科目」にして、○×式の試験を行なっていること自体が最大の問題である。私たちがどうやって日本語を身につけたかといえば、○×式の試験を受けたからではない。親が話すのを聞き、真似して言葉を発するうちに自然と話せるようになった。どこの国でも言葉は子供の頃から「話した時に褒められる」という経験を積んで学んでいくものだ。

 ところが、日本の英語教育は答えを間違えたら叱られて×を付けられるので、子供たちは間違えることを恐れるようになる。いわばパブロフの犬のような条件反射である。そういう状態で語学を勉強しても上達することはなく、かえって苦手になってしまうのだ。

 また、語学は最初に規則を教えたり覚えたりしてはいけない。なぜなら、少なくとも母国語が英語の国で子供の時から文法を学ぶ人はいないからである。現に、私の妻はアメリカ人(現在は日本国籍)だが、日本人が学校で習う難しい文法や構文は全く知らない。私のほうがはるかに詳しいのだ。

 今の日本の英語の授業は、古文や漢文の授業と似ている。つまり、英語の文法や構文を学ぶのは、古文の古語や用法、漢文の返り点や書き下し文を学ぶのと同じようなものなのだ。それらは江戸・明治時代の先人の素晴らしい知恵ではあるが、そういうやり方を英語に持ち込んでも、流暢に話せるようにはならない。

 では、日本人が実践的な英語を身につけるためにはどうすればよいのか? 次号で具体的に提言する。

【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。現在、ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊は『世界の潮流2021~22』(プレジデント社)。ほかに小学館新書『新・仕事力 「テレワーク時代」に差がつく働き方』等、著書多数。

※週刊ポスト2021年11月19・26日号

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