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通行の邪魔をする犬を注意しない飼い主、法的に問題は? 弁護士が解説

配達の仕事中なのにいつも吠えてくる…(イラスト/大野文彰)

配達の仕事中なのにいつも吠えてくる…(イラスト/大野文彰)

 人通りが多い道や通行の妨げになる場所での犬の散歩は、周囲に迷惑をかけないよう飼い主が配慮するのがマナーだ。しかし中には、しつこく人に吠える犬に注意すらしない飼い主もいるという。吠えられた側は我慢するしかないのだろうか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【相談】
 私は配達の仕事をしていますが、いつも犬の散歩をしている年配の夫婦に出会います。その犬は必ず私に向かってしつこく吠え、通行の邪魔をします。それにもかかわらず、飼い主は犬に注意すらしません。私は仕事で急いでいるのでとても困っています。その犬が原因でけがを負ったりしたわけではないので、犬に注意をしてくれるように夫婦に言いづらいのですが、がまんするしかないのでしょうか。(大阪府・40才・会社員)

【回答】
 民法718条では、「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない」と定めています。

 犬に噛まれてけがをすれば、係留されている犬を挑発したりからかったりした場合を除いて、この規定によって飼い主に対し損害賠償を請求できます。しかしあなたの場合、通りすがりに吠えられるだけですから、危害を加えられたとまでは言えません。飼い主が犬を制止したり、遠ざけたりしないため、その道を通れずに回り道をして約束の時間に遅れたりすれば、損害といえなくもありませんが、具体的な損害の立証は困難でしょう。

 飛びかかるような行動を犬に繰り返しさせて、人に強い恐怖心を与えたような場合は、慰謝料の請求も考えられます。しかし、あなたの場合は吠えられただけなので慰謝料を要するほどの被害になることはないと思います。とはいえ、配達途中で会うたびに通行の邪魔をされては困ります。

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