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補助金目当てで「まん防」を歓迎する“意識の低い”飲食店のさもしさ

昨年の緊急事態宣言発令時には閑散としていた飲食店街(東京・新橋。時事通信フォト)

昨年の緊急事態宣言発令時には閑散としていた飲食店街(東京・新橋。時事通信フォト)

「東京で『まん防』が出ることになったため、東京のお客さんからのキャンセルが相次ぎました。ウチとしては、全然気にしないのですが、なんだかお客さんに気を遣わせてしまい、申し訳ないです」(寿司店店主)

「また『まん防』とか言い出したけど、私達どうすればいいのかね? お昼にお弁当を作ったりしてなんとか乗り切ってきたけど、本当に辛い。こうなると、もうすっかり飲む雰囲気じゃなくなるよね」(居酒屋店主)

 いずれの店主たちも補助金や休業補償が欲しいわけではなく、自らの仕事に誇りを持ち、客に楽しんでもらいたいと考えていることが分かります。たしかに一部では、「働かないで税金から普段以上のお金がもらえてラッキー!」みたいに考える飲食店の人たちもいるようですが、飲食店全体がそうした考えを持っているわけではない、ということは知っておいてほしいです。それにしても、情けない。さもしい。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『炎上するバカさせるバカ 負のネット言論史』(小学館新書)。

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