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兄はみずほFG新社長 木原誠二・官房副長官が岸田首相の信頼を得るまで

みずほFGの新社長・木原正裕氏(時事通信フォト)

みずほFGの新社長・木原正裕氏(時事通信フォト)

 若手議員時代はあまり目立った存在ではなかった。元警察官僚で当選同期の小野次郎・元代議士がいう。

「同期で勉強会を開いて研修プログラムを作ったり、合宿をやっていた。木原さんは財務省出身なので税関見学の企画を立てた。財務官僚にはお堅くてギスギスした感じの人が多いが、彼は温厚でソフトなタイプ。私の選挙区に知り合いがいるからと、全く恩着せがましくなく、『会ってみなよ』と紹介してくれた。皆の前でリーダーになろうとすることもなく、控え目で真面目でした」

 次の2009年総選挙で落選。落選中はコンサルティング会社勤務の後、2012年総選挙で国政に返り咲くと外務政務官、外務副大臣を務め、ダッカ日本人襲撃事件では現地対策本部の指揮を執った。

 だが、安倍政権時代はポスト的に恵まれていたとはいえない。

「同期の稲田朋美・元防衛相や片山さつき・元地方創生相らに入閣で先を越されて内心は悔しかったはずだが、地道に政策に取り組んでいた」(岸田派議員)

 出世の糸口をつかんだのはその“不遇な時代”だ。岸田首相が自民党政調会長時代に、誠二氏は政調事務局長として政策づくりに実力を発揮し、「岸田さんから懐刀としての信頼を得た」(同前)からだ。

 そして岸田内閣の誕生で、「官房副長官」という官邸の実権を握るポストに出世した。

 いまや「官邸での首相と各省幹部との面会にはすべて木原副長官が立ち会う」(官邸スタッフ)とされ、オミクロン株の水際対策で国交省が航空会社に新規予約停止を指示して批判を浴びた時も、文科省が濃厚接触者の大学受験生に別室での受験を認めないという方針を出して批判を浴びた時も「木原氏の進言で方針を転換した」(同前)といわれる。

第3回につづく)

※週刊ポスト2022年2月4日号

【当初、記事中にあった清水鴻一郎・元代議士の談話は、冨岡勉・元代議士の談話を誤って掲載しておりました。清水氏、冨岡氏にお詫びし、訂正しております】

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