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すしざんまい木村清社長 バブル崩壊のどん底からの再起を促した“友の助け”

すしざんまいの木村清社長(中央)はどん底からどう再起したのか(写真は2019年の初競り)

すしざんまいの木村清社長(中央)はどん底からどう再起したのか(写真は2019年の初競り)

 お金に関することで大きな壁にぶつかったとき、どんな努力や工夫で乗り越えればいいのだろうか──。全国に56店舗を展開する寿司店「すしざんまい」を運営する株式会社喜代村の代表取締役社長の木村清さん(70才)。木村さんといえば、マグロの初競りでその名を知る人も多いが、“日本初の24時間・年中無休”という業界の常識を打ち破った寿司店の創業者でもある。

「もっと多くの人から喜ばれることがないか、既存のルールに囚われず、常に“サムシング・ニュー”を考えています。そういう好奇心の先に新しい発想が生まれる。まさに、ドラえもんのポケットです!」と、木村さんは豪快に笑う。

 戦闘機のパイロットに憧れ、中学卒業後に航空自衛隊に入隊するも、事故で目を悪くし、22才で退官。その後、司法試験への挑戦を決意する。

「学費を稼ぐため水産会社に勤務したのですが、決まった商品を売るだけではどうも満足できなくて。『どうしたらより売れるか、人に喜んでもらえるか』、常にアイデアが浮かんでは試行錯誤する毎日でした。とうとう会社から『お前は何でもやりすぎだ。うちは冷凍食品を売ればいいんだ』と怒られました(笑い)」(木村さん・以下同)

“新しいことに挑戦し、人に喜ばれる”商売に魅力を感じ、27才で木村商店を設立した。

「水産会社での経験や人脈を駆使して魚介類の仕入れや卸売り、本マグロの扱いを始めたのはこの頃。一年中おいしいマグロが食べられるよう世界中を回り、時季ごとにいいマグロを入手できるルートを確立。さらに天然の生け簀でマグロを育て、資源を保護しながら安定供給する備蓄システムを構築しました。『マグロを生け簀で飼うなんて不可能だ』と言われましたが、まずは行動してみること。前例がないからと諦めてはダメなんです」

 手がけた事業は90以上に及ぶ。ところが……。

「商売は順調でしたが、バブルの崩壊で銀行に裏切られ、突如借入金の一括返済を迫られたため、これまでの事業を縮小したり友人に譲ったりするなどし、借金を返しました」

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