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世界一の経営者イーロン・マスク氏の横顔 日本では育たない「徹底的な変人」

日本に生まれていたら成功していなかった?(イーロン・マスク氏。写真/AFP=時事)

日本に生まれていたら成功していなかった?(イーロン・マスク氏。写真/AFP=時事)

 ツイッター社を440億ドル(5兆6000億円)で買収するなど大きな話題を振りまいているのが、米電気自動車テスラCEOのイーロン・マスク氏。2022年版の世界長者番付で2190億ドル(約27兆円)で初の1位に輝いた「世界一の経営者」だが、これまで自分が語る“夢“を現実のものとし続けてきた実績がある。

 マスク氏の“推進力”について、2014年に同氏を取材したことがあるジャーナリスト・大西康之氏はこう話す。

「マスク氏の強さは、本人が自分の成功を確信しているということです。失敗の可能性を考えないし、空気も全く読まない。自分の頭の中でいけると判断したらとにかくいく。

 彼が電気自動車を開発すると言った時、ほとんどの人が『ベンチャー企業で車の量産なんて無理だ』と呆れた。ところが、実際に年間100万台の量産を実現させてしまった。その過程は全然平坦ではなく、何度も失敗しているし、何度も嘘つきだと言われてきた。

(宇宙ロケット開発会社の)スペースXにしても、『有人飛行はベンチャーではなくNASAの仕事でしょ』と多くの人が思っていたのに、実現させた。ここまで実績を積んでくると、“ただの変人ではないな”となる」

 世界を驚かせたのは、ロケット開発や電気自動車だけではない。

 自宅から職場までの渋滞に悩まされていたマスク氏は、道路の下にトンネルを掘るというアイデアを思いつく。2013年に、チューブ内を乗り物が最高時速1220kmで走る超高速鉄道「ハイパーループ」を考案し、理論上可能であることを明らかにした。これを機に航空機に代わる次世代交通手段として研究・開発が進められるようになった。

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