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新宗教の資金力 幸福の科学「創業オーナー」の強みと、急速に信者増やす真如苑

東京・立川市の真澄寺に総本部を置く真如苑

東京・立川市の真澄寺に総本部を置く真如苑

 コロナ禍で失われていた人の集まりが元に戻りつつある。そうしたなかで再び活性化する新宗教の動き。政治、メディア、スポーツなど、我々が日常的に接しているものに多大な影響を及ぼしている「10大新宗教」の今に迫った。

【※10大新宗教は、幸福の科学、真如苑、崇教真光、世界救世教、創価学会、天理教、立正佼成会、霊友会、生長の家、PL教団】

 10大新宗教の中でも「資金力」が突出しているとみられているのが創価学会だ。宗教団体の本部にはシンボルとなる巨大建築が多いが、創価学会は東京・信濃町の本部関連施設群をはじめ、全国各地に「池田会館」や「平和会館」などの関連施設を多数建設。保有する不動産はケタ違いだ。さらに創価大学や系列の高校中学を運営し、美術館、葬儀社、墓地公園などの事業を展開。教団の収入は、毎年12月に学会員からの寄付を募る「財務」と関連事業が柱だ。

御奉納3万円目安

 それに続くとみられているのが幸福の科学だ。大川隆法・総裁が1986年に設立、1991年に宗教法人となってからわずか30年で全国・全世界に精舎・支部精舎等を700か所以上、布教所を約1万か所展開するなど、豊富な資産を築いた。政界進出にも意欲的で、幸福実現党が毎回、得票数が足りずに億単位の供託金を没収されながらも、選挙に挑み続けていることでも知られる。今年7月の参院選にも候補者を擁立する方針だ。幸福実現党幹部はこう話す。

「選挙資金は信者の寄付、運動員も信者のボランティアに頼っている。その期待に早く応えたい」

 収入の柱は“ベストセラー”を次々に生み出す大川氏の著書の出版ビジネスとセミナーとみられている。幸福の科学は、各地で連日のようにセミナーを開催し、多くの信者が参加費を支払って受講している。本誌が入手した教団施設「東京正心館」の2020年4月のセミナー日程表には、「中国発コロナ不況撃退『降魔繁栄祈願式』」「大金持ちになる法 学習会」「悪魔祓い祈願祭」「新強力・病気平癒祈願式」など毎日なんらかのセミナーの日程がぎっしり組まれ、中には「経営者マインドの秘密 御奉納3万円目安」と参加料が書かれているコースもあった。宗教学者の島田裕巳氏が語る。

「新宗教のほとんどは創立者が亡くなったり引退して2代目、3代目に代替わりした。大川隆法さんは現在の新宗教界では数少ない創業オーナーです。外部がどう評価するかは別として、教祖が健在の宗教組織はある意味、大胆なことができるし、お金集めにしても勢いがある。それが幸福の科学の強みといえる」

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