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餃子店や焼肉店… 物価高騰でも価格を死守する飲食店の“ド根性経営”

『炭火焼肉meatmeet』のモットーは「美味しいものをなるべくリーズナブルに食べてもらい、喜んでもらうこと」

『炭火焼肉meatmeet』のモットーは「美味しいものをなるべくリーズナブルに食べてもらい、喜んでもらうこと」

スーパー薄利多売

〈なんとも厳しい情勢ですがとりあえずうちのお店は値上げはしません!〉

 5月中旬のブログにそう記したのは、山形県山形市にある焼肉店『炭火焼肉meatmeet』の店主である中嶋雅彦氏だ。

 2016年にオープンした同店は8テーブル・45人の収容規模。焼肉店は多様な食材や光熱費が必要なだけに、値上げの波を肌で感じている。

「ただでさえ炭火はガスの2倍の経費がかかりますが、炭も10kgあたり200~300円値上がりしました。そのほか電気代はもちろんのこと、牛肉、テイクアウト用の容器や包材、油や乳製品と上がっていないものがないくらいですよ(苦笑)」(中嶋氏)

 それでも値上げしないことを誓ったのは、「お客ファースト」の経営方針を掲げるからだ。

「もともとウチは美味しいものをなるべくリーズナブルに食べてもらい、お客さまに喜んでもらうことがモットーです。そのために以前から商品にコストをかけ、原価率は50%を超えています。

 物価高騰で上がった分の経費は吸収できていませんが、お客さまが連日ガンガン来てくれるから、値上げに対しても踏ん張れています」(同前)

 仕入れ価格の中心を占める牛肉の高騰が続けば、価格維持は難しいかもしれないとのことだが、今後もできる限り顧客第一の姿勢を貫くという。

「ウチは小さい店の割には『スーパー薄利多売』の体力勝負でやっています。今の状況は大変だけど値上げに一喜一憂せず、今後もお客さんにどれだけ喜んでもらうかを第一に考えていきたいですね」(同前)

※週刊ポスト2022年7月8・15日号

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