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【日本株週間見通し】上値の重い展開か 需給面での基調転換にも注意

 また、週末にはFRBが重要視する米7月個人消費支出(PCE)コアデフレータが発表予定。7月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が揃って予想を下回ったため、今回の食品・燃料を除いたコアPCEデフレータは6月の前月比+0.6%から同+0.1~0.2%程度に大きく減速する見込み。インフレ減速はほとんど事前に想定されている結果ではあるが、ジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演内容が無難なものに終わった場合には、ポジティブに捉えられる可能性がありそうだ。

 より短期的に相場に影響を与えそうなところでは、24日に発表される米半導体大手エヌビディアの決算がある。直近、半導体業界では需要が急速に鈍化している兆候が相次いでいる。エヌビディアも今月8日に、5-7月売上高が見通しを下回ることを明らかにし、市場を動揺させたばかりだ。事前にある程度織り込まれているとはいえ、8-10月見通しに対する注目度は高く、指数寄与度の大きい関連株の動向を占ううえで注目したい。

 一方、需給面での基調の転換にも注意したい。7月半ばから株式市場のリバウンドが始まったが、既に1カ月が過ぎ、日柄的にはそろそろ上昇が一服してもおかしくない頃合いだ。足元では底堅いながらも、リバウンド相場の序盤に力強い動きを見せていた米ナスダック総合指数の騰勢にも衰えが見られる。また、先週末に米国版のSQ(特別清算指数)算出を通過することからも、買い戻しは一巡してきたと推察される。これまで同様の力強い基調がそのまま延長されるという安易な考え方には注意が必要だろう。

 また、東京証券取引所が公表する裁定取引に係わる現物ポジションを見ると、8月8日時点での買い残から売り残を差し引いたネットの裁定買い残は、3月21日に並ぶ今年最高水準にまで積み上がっている。日経平均株価の推移をみると、前回、ネットの裁定買い残がピークを付けた3月21日の週をピークに、その後2カ月近く下落基調を辿った。週末に注目イベントが控える中、需給面での一巡感も台頭してきていることで、今週は上値の重い展開となることを予想する。

 なお、今週は23日に米7月新築住宅販売件数、24日に米7月耐久財受注、25日に米4-6月期国内総生産(GDP)改定値、ジャクソンホール会議(~27日)、独8月Ifo景況感指数、26日に米7月個人所得・個人支出が発表予定。

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