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高級化が進む「シビック」の未来は? ホンダ「シビックe:HEV」の“乗り心地“と“価格への評価”

 シビックに対する評価も、ここで終わることができれば良かったのですが、まだ価格に対する評価が残っています。試乗後にシビックの394万200円というプライスについてじっくり考えてみました。国産ライバルであるトヨタ・カローラのハイブリッド上位モデルや、マツダ3のディーゼルターボXDなどと比較しても100万円以上も高くなっています。そしてこの価格帯なら輸入車のVWゴルフ・eTSIあたりまで、ターゲットプライスとして入ってくるのです。

 最初に申し上げたとおり、最近のシビックは以前ほどのブランド力を失っています。もちろん試乗してみて魅力を感じ、残価設定などのローンを考慮しても、以前はライバルではなかった上級車が選択肢として入ってくるので、これは悩みどころとなります。

 時代とともにシビックのポジションは変化し、「市民の味方」から上級車へと移行したわけです。魅力的なハードと価格のバランスを多くの人に納得させるためには、「シビック」の車名では無理が出始めているのかもしれません。車名は単なる記号とも言えますが、一方で価格や機能までも左右するほど重要な意味を持ちます。近未来のシビックにとっての正解はどこにあるのか、改めて考える時期が来ているのではないでしょうか。

【ホンダ シビック e:HEV】
全長×全幅×全高:4,550×1,800×1,415mm
車両重量:1,460kg
最小回転半径:5.7m
エンジン:水冷直列4気筒DOHC 1,993cc
最高出力:104kw(141PS)/6,000rpm
最大トルク:182Nm(18.6kgm)/4,500rpm
モーター最高出力:135kW(184PS)/5000~6000rpm
モーター最大トルク:315Nm(32.1kgm)/0~2000rpm
WLTCモード燃費:24.2km/L
車両本体価格:394万200円(税込み)
問い合わせ先:ホンダ 0120-112010

【プロフィール】
佐藤篤司(さとう・あつし)/自動車ライター。男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う。著書『クルマ界歴史の証人』(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

体をしっかりとホールドしてくれ、疲労感が少なかったフロントシート

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