快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた

スポーツカー好きが大興奮!「7代目フェアレディZ」に乗ってわかった本当の価格満足度

初代へのリスペクトが細部から感じられるエクステリア

初代へのリスペクトが細部から感じられるエクステリア

 2020年のコンセプト発表時から、スポーツカーファンの注目を集めて続けてきた「7代目フェアレディZ」の乗り心地やいかに──。シリーズ「快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた」、今回は初代フェアレディZデザイナーへの取材経験もある自動車ライターの佐藤篤司氏が同車に実際に乗ってみて、価格以上の満足感を感じた点についてレポートする。

 * * *
 額面だけでは計り知ることの出来ないお買い得感。じっくりと本質をチェックすることで、その価値というものが見えてくるものです。今回、新型になったフェアレディZのステアリングを握り、走ってみて“お買い得”とはなんたるかを、改めて考えさせられました。1969年に初代が登場して以来、半世紀以上にわたって日本を代表するスポーツカーとして世界中の人から愛されてきたフェアレディZの7世代目。どれほどの価格満足感があるのでしょうか?

少しじらされたが、仕上がりは期待以上

 約2年前、2020年の9月に今回の新型フェアレディZのコンセプトが発表されたとき、世のスポーツカー好きたちは、かなり興奮したと聞きます。半世紀以上にわたり、世界中で愛されながらも、時代によっては「もはやスポーツカーの時代ではない」などと言われ、存在自体が消え去ろうとしたこともありました。それがなんとか持ちこたえ、新たなコンセプト発表となったのですから、世界的な話題性は大きかったのです。

 そしてコロナ禍ということもあり、待たされること約1年、ようやく昨年の夏にアメリカで正式発表され、さらに2022年早々に日本仕様の全貌が発表されました。気が付けばデリバリーが始まる前に「すでに今年の分は売り切れました」とも言われるほどの人気となりました。

 詳細を見れば全長4380mm×全幅1845mm×全高1315mmという比較的コンパクトなボディに最高出力405PS(298kW)、最大トルク475Nm (48.4kgf・m)を発生する3LのV型6気筒ツインターボエンジンを搭載した、順当なスポーツカーでした。最近、スポーツカーの世界にも勢力図を拡大してきているBEV(電気自動車)でもなければ、ハイブリッドモデルでもありません。

 パワーソースは内燃機関のガソリンエンジンだけで、それを6速MTか9速ATのどちらかと組み合わせるという、実にオーソドックスな“ザ・スポーツカー”といった成り立ちなのです。おまけにクルマの骨格であるシャシのベース部分は旧型を継承しています。ニューモデルといったのに、「これはビッグマイナー(チェンジ)だよ」という人も当然います。一方で「基本は8割がた受け継いでいても、新型といっていい」という意見もあるのが新型フェアレディZを取り巻く議論なのです。

 白状すれば、“車が良ければ”どちらでも結構、といったところです。要はどれほどの仕上がりになっているか?が最大の関心事。そして昔からのフェアレディZを知っているおじさん世代として、あえて言わせて頂ければ「この電動化時代にガソリンエンジンだけで勝負してくれたことに感謝」です。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。