藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

24年ぶりの「円安・ドル高」で米国株投資への影響は? 円安のメリットとデメリット

円安のメリット・デメリット

 円安になったり円高になったりといった為替の変動は、わたしたちの生活にも大きな影響を及ぼします。円安と円高のどちらがよいということではなく、それぞれにメリット・デメリットどちらもあります。詳しくは以下の表を確認ください。

円安・円高のメリットとデメリット

円安・円高のメリットとデメリット

 円安のデメリットとして目に見えてわかるのは「輸入品が高くなる」こと。先日発表されたAppleの新製品、iPhone 14(128GBモデル)の現地価格は799ドルです。それが日本での発売価格は、11万9800円! 思わず「高っ!」と思わず声が出そうですが、仮に1ドル=115円であれば約9万2000円だったはずなので、かなり印象は違います。

案外下がっていない米国株投信

 では、投資家への影響はどうでしょうか。今年に入ってアメリカ株は大きく下落していますので、アメリカ株を買っている人は意気消沈しているかと思いきや、案外それほどのダメージを受けていません。

S&P500 に連動するETFとS&P500の動き

S&P500 に連動するETFとS&P500の動き

 日本の株式市場に上場しているS&P500に連動するETF(上場投資信託)と、S&P500の原指数の動きを比較してみましょう。S&P500というのは、アメリカを代表する企業500社で構成されている株価指数です。2022年に入ってから、どんどん差は開いており、ETFのほうはほとんど下がっておらず、むしろ高値を更新しそうな勢いです。

 こんな不思議なことが起きる要因はまさに円安にあります。わたしたちがS&P500に連動するETFのような外貨建ての資産を買うときは、同時にドルを買っているのと同じ効果を持ちます。買ったあとにドルが上がれば(円が下がれば)、自然と買った商品の価値も上がります。つまりS&P500の下げよりも、ドルの上げのほうが強いので、日本でドル建ての金融商品を買っている人は、それほど負けてない、むしろ勝っている場合もあるということです。

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