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気象予報士・蓬莱大介さんが「台風」を解説 “教科書通りでない動き”の頻度高まる

最近の台風には進路予想が難しいものも(イラスト/蓬莱大介)

最近の台風には進路予想が難しいものも(イラスト/蓬莱大介)

 台風シーズン真っただ中。突然の坊主頭になったことでも話題の気象予報士・蓬莱大介さんが、直筆イラストとともに、知っておくべき台風の基礎知識を解説してくれた。【全3回の第2回。第1回から読む

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 同じくらいの勢力の台風なのに「ものすごい暴風」のときもあれば「意外と風が吹かない」ときもあると思います。その違いは、台風の進路に関係しています。

 台風は反時計回りの風です。たとえば台風の中心位置によりますが、南東から強い風が吹くとき、大阪平野は南の紀伊山地にブロックされ、あまり風が強く吹きません。ですが東京は南が海なので、風は強まります。このように地形によっては山でブロックされることもあれば、谷に風が集まり、山越えでより暴風が吹くこともあります。

 また、日本海を北へ進むときは偏西風に流され進行速度が上がるので、同じ強さの台風でもより風が強まることがあります。

今年の台風はラニーニャ現象で勢力が強まる?

ラニーニャ現象で西寄りの進路に

ラニーニャ現象で西寄りの進路に

 今年は台風の発生個数は平年(25.1個)よりも少ない23個前後になる予想ですが、ラニーニャ現象で日本周辺の海水温が高いため、台風の勢力が強まりやすい傾向があると予想されています。

 別掲の図を見てください。太平洋高気圧の勢力が強く、日本列島のすぐ近くまで張り出しています。台風の進路は高気圧の縁に沿って進むので、日本列島に来やすい状態。この傾向は10月になっても続くとみられており、10月でも台風が接近しやすいと予想されています。

 過去にも日本付近で平年より海水温が高いことで、台風被害が続出した例も。

 2019年9月の台風15号(令和元年房総半島台風)は、台風が発生して約3日後に急成長して上陸。大規模な停電が発生しました。同じ年の10月、台風19号(令和元年東日本台風)では、長野県の千曲川など一級河川が氾濫し、新幹線の車両が水没したほか、死者100名を超える甚大な被害が出ました。平年よりも海水温が高いときは10月になっても油断できない、といえるでしょう。

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