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孫正義氏「韓国版アマゾン」手中に収め、狙うは日本のEC事業か 楽天・三木谷氏との最終戦争へ

楽天モバイルの不調は痛手か(時事通信フォト)

楽天モバイルの不調は痛手か(時事通信フォト)

 ライブドア元社長の堀江貴文氏もかねてより、自身のオンラインサロンでこう発言していた。

「孫さんがどうもクーパンを日本に上陸させるという話が出ている」

 ソフトバンクの「打倒楽天」が現実味を帯びてきたとして、堀江氏はこう続けるのだった。

「ソフトバンクグループのパワープレーで楽天はやられてしまうかもしれない。楽天はそうした危機的状況にあるのではないかと考えています」

 坂口氏もこう話す。

「クーパンそのものを拡大させずとも、その物流ノウハウを導入してグループ内のECを全て統合し、新たな総合ECサイトを立ち上げることは十分に考えられる。

 ソフトバンクがモバイル決済サービスのPayPayやLINE Payを持っているのも強みです。これらの決済サービスとクーパンの物流を含めたビジネスモデルが構築されたら、楽天にとって大変な脅威になるでしょう」

 孫氏は楽天の先に、打倒アマゾンすら視野に入れているという見方もある。関氏が語る。

「アマゾンの日本売り上げは年間2兆5000億円超。孫さんは、やるなら必ずトップを目指すタイプなので、この数字以上の売り上げを狙うはず。本気でEC業界の勢力図を一変させるつもりで来るでしょうね」

鍵を握る1億のID

 孫氏の動向にEC業界が注目するなか、ソフトバンクも盤石ではない。今年8月の第1四半期決算で、ソフトバンクグループは3兆1600億円の巨額赤字を計上した。

「1期前の約2兆円と合計して5兆円の赤字で、2期前の4兆9000億円の黒字をすべて吐き出した。ただ、現在のソフトバンクは投資会社に近く、株価や為替に決算が左右されやすい。

 赤字は事業の失敗というより世界的株安や円安の影響が大きく、持ち株の売却などでリカバリーできる。1期ごとの決算の数字にさほど意味はなく、中長期的なビジョンが問われます」(関氏)

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