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行動経済学でひもとく“お金の哲学”「目の前の現金」と「先々の得」どちらを選ぶべきか

タイミングが変わると結果も変わる

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橋本:こうした状況は現代社会にもあてはまるように思います。ここ数年、コロナ禍のあおりを受けて失業したり会社が倒産していますし、物価上昇も止まりません。経済面でも、そして健康面でも不安定な社会状況が続いています。
 
 かつては、手持ちのお金を銀行に預ければ利子を期待できましたし、それなりの学校を出ればそれなりの会社に勤められて安定した生活ができる時代でした。でも、いまは流れている空気が確実に違います。そのことに気づかず、いままで通りの価値観や相場感で生活を続けていると危険です。その場その場で臨機応変、柔軟に対応できる能力が必要とされています。

オバ記者:あら、私には野性のカンが働いてるのかしら(笑い)。でも……そうかもねぇ。悠長でいられるのはお腹いっぱいなとき。あとは貯蓄や備蓄があるときよね。そのどちらもないまま、貯金ゼロでこれまでやりくりしてきた私にとって、その場その場で本能的に損得や勝ち負けを決めるのが“普通”でしたから。

橋本:野原さんは、お金に関して意思決定をする際、より確実な選択肢を好む、行動経済学でいうところの「確実性効果」の影響が強いタイプだと思います。Q1、2でいえば、いまお金をもらえれば確かに「100%」ですが、1か月後にそれが保証されるとは限らない、かもしれない。リスクが発生する可能性も計算に入れて選択・行動する。それが野原さんの強みなんだと思います。

第2回につづく

【プロフィール】
橋本之克さん/マーケティング&ブランディングディレクター。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。著書は『9割の買い物は不要である』(秀和システム)など。オバ記者との対談は3回目となる。

「オバ記者」こと野原広子さん/空中ブランコや富士登山など体当たり取材でおなじみ。本誌『女性セブン』連載『いつも心にさざ波を!』も好評。笑顔の絶えない65才。

※女性セブン2022年10月13日号

橋本之克さん/マーケティング&ブランディングディレクター。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。著書は『9割の買い物は不要である』(秀和システム)など

橋本之克さん/マーケティング&ブランディングディレクター。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。著書は『9割の買い物は不要である』(秀和システム)など

「オバ記者」こと野原広子さん/空中ブランコや富士登山など体当たり取材でおなじみ。本誌『女性セブン』連載『いつも心にさざ波を!』も好評。笑顔の絶えない65才

「オバ記者」こと野原広子さん/空中ブランコや富士登山など体当たり取材でおなじみ。本誌『女性セブン』連載『いつも心にさざ波を!』も好評。笑顔の絶えない65才

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