吉田みく「誰にだって言い分があります」

物価高で浮き彫りになる家庭の格差 ママ友の“新型iPhone購入報告”に「裏切られた気持ち…」

「新型iPhone購入の話題を出すのはマウティング」と感じたのはなぜ?(イメージ)

「新型iPhone購入の話題を出すのはマウティング」と感じたのはなぜ?(イメージ)

 生活必需品の値上げラッシュが続いている。電気代やガス代のみならず、日用品、食料品などあらゆるものが値上がりしている。ファストフード大手の日本マクドナルドは、ハンバーガーなど約6割の商品の店頭価格を9月30日から10〜30円値上げした。燃料費や原材料費の高騰などが理由で、その他の大手外食チェーンでも同様の値上げが相次いでいる。しかし、当然ながら、物価高の影響は人によって異なる。フリーライターの吉田みく氏が、「新型iPhone」をめぐりママ友との経済格差を実感したという30代主婦に話を聞いた。

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 埼玉県在住の専業主婦マホさん(仮名、32歳)は、昨今の物価上昇による苦境がきっかけで、仲の良かったママ友たちに嫉妬心を抱き始めたという。

「夫と5歳、3歳の子供がいますが、生活に関する様々なものが値上がりして困っています。それなのに夫の給料は上がりません。必要最低限の量のガソリンをこまめに入れたり、スーパーの特売品を中心に献立を考える日々に疲れました。自分のための洋服やコスメは久しく買っていませんし、外食も旅行も全然行けません。“ただ生きている”だけという感じです。恥ずかしながら貯金は全くできません」(マホさん、以下同)

 このところの苦境をそのように訴えるマホさんだが、これまで週1回は開かれるママ友会で、親しいママ友たちと励まし合うことで精神的に保たれてきたという。

「本当はファミレスでお茶をしたいところですが、ママ友宅にお菓子を持ち寄って節約しています。どのママ友も『何もかもが値上がりで困っちゃうよね』『ローンがしんどいよ』と話しており、我が家だけが大変な思いをしているのではないと知ったらホッとしました。

 一時期は、手取り20万ちょっとの夫の収入で生活することに惨めさを感じていたんです。みんなも頑張っていると思ったら、私もこの苦しさを乗り越えられるような気がしたのですが、あることがきっかけで崩れていきました……」

 それはある日のママ会での出来事だった。ママ友Aさんが最新のiPhoneに機種変更したことを報告したのだ。その場では「カメラすごいね」「最新機種はいいね」といった何気ない会話が飛び交っていたが、マホさんとしては“裏切られた”気持ちになったという。それはAさんに対する嫉妬心からだった。

「Aさんが購入したiPhone 14 Proの価格を調べてみると、『14万9800円~』と大変高価なもので、いつも『贅沢なんてできないよ』と話していただけに驚きました。そして同時に、そんな高価なiPhoneを買えるほどの余裕がある家庭なんだと思ったら、一緒に付き合っていることが惨めになったんです」

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