吉田みく「誰にだって言い分があります」

「脱・セルフ美容」「脱・テイクアウト」…コロナ前の店舗サービスの「価値」に回帰する人たち

お店の雰囲気までは、テイクアウトでは味わえない(イメージ)

お店の雰囲気までは、テイクアウトでは味わえない(イメージ)

容器よりお店の食器で楽しみたい

 都内在住の男性会社員ユウキさん(仮名、39歳)は、最近、「脱・テイクアウト」をしたという。

「コロナ禍で頑張っているお店を支援する意味もあって、ほぼ週2回のペースでテイクアウトしていました。でも最近は、お店で飲食を楽しんでいます。自宅で本格的な味を楽しめるのもいいですが、やはり雰囲気のある店内で食事をするほうが満足度が高い。持ち帰り時間が長いと、料理が冷めてしまうのも少し残念な気持ちでした」(ユウキさん、以下同)

 テイクアウトならではの魅力はあるものの、「テイクアウトが頻繁になってから色々と気になるところもあります」とユウキさんは言う。

「一番気になるのは、持ち帰り用のプラスチック容器です。こぼれないためにしっかりとした容器を使っている飲食店が多いのですが、持ち帰りのためだけにもったいないなと思ってしまいます。一時期は捨てずに再利用も考えたのですが、意外と使い道もなく、結局廃棄してしまいました。環境問題を考えると心が痛みます。

 自宅で美味しい食事を楽しむのもいいですが、それに合わせたお酒を飲むことや、店員さんとの会話の大切さにも気付かされました。また、テイクアウト用のプラスチックや紙の容器よりも、食事に合わせた食器の方が見栄えも良くて箸も進みます。政府による自粛要請期間中は仕方がなかったですが、制限のない今はテイクアウトをせずに店で食事やお酒を楽しみたいです」

 特に最近は、自粛期間中にオンライン飲み会をしていた仲間たちとともに、SNSで話題になっている飲食店へ足を運ぶのが楽しみになっているそうだ。今後も、感染対策に配慮しつつ、飲食店を盛り上げていきたいとユウキさんは話していた。

 アユミさんとユウキさんのように、コロナ禍を経て、リアルや対面でのサービスならではの価値を「再評価」するようになった人たちは少なくないようだ。また、コロナ禍で薄れていた人との交流を自然と求める人も多いのかもしれない。このままコロナが収束してくれるのを願うばかりである。(了)

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