中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

複数の知人に1880万円貸した男性がたどり着いた「借金を頼んでくる人間は、人生には不必要」の境地

 皆さん無職というわけではありません。キチンと仕事をしているのですが、己の欲望に負け、ファッションやギャンブル、風俗、投資にカネをつぎ込みスッカラカンに。

 見栄を張りたがるのも特徴です。本来、六本木の高級マンションに住めるような状況ではないにもかかわらず、見栄を張って給料の大半を家賃につぎ込み、飲み会とかでも「今日は貸してくれ」などと言う。あのさ、そんな高級マンション借りず、ワンルームで5万8000円の家に住めよ、と思うわけです。

 これまで私に借金を依頼してきた人のうち、冒頭で紹介した女性以外は皆、私よりも家賃が高い家に住んでいました。そんな高級物件に住んでいる彼らが、節約のために安い部屋に住んでいる私に対して借金を依頼してくる神経が分からない。

 私はこうした経験を散々してきたことで、借金の依頼をされると、「お前とは金輪際付き合わない」と判断するリトマス試験紙として活用するようになりました。それは逆に言えば、関係を続けたくない人がいれば、カネはあってもあえて借金の依頼をする、というのもひとつの手でしょう。なんとなく義理で付き合っているが、本当は縁を切りたい場合、わざと「高級車を買いたいので頭金100万円貸してくれ」などと言ってみると、自然と縁が切れるかもしれません。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。

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