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「生活騒音を規制する法律はない」隣の高齢者住人のテレビの大音量問題に解決策はあるか

窓を閉めても大きな音が聞こえる(イラスト/大野文彰)

窓を閉めても大きな音が聞こえる(イラスト/大野文彰)

 誰でも巻き込まれる可能性がある近隣トラブル。なかでも騒音に関する事例は少なくないという。たとえば、隣家から大音量のテレビの音声が聞こえてきたらどうすればいいのだろうか。弁護士の竹下正己氏が実際の相談に回答する形で解説する。

【相談】
 一戸建てを購入して10年、隣人のテレビの音量に悩まされています。入居当時はさほど気になりませんでしたが、年々音量が上がり、いまでは窓を閉めても大きな音が聞こえます。隣人は高齢男性のひとり暮らしで、朝5時から19時頃まであまりにも音がうるさく、何度か注意をしていますが、2~3日はボリュームを下げてくれてもすぐに大音量に戻ります。このままでは家にいても気が休まりません。よい方法はありませんか。(埼玉県・49才女性)

【回答】
 建物は敷地の境界線から50cm離せば建築できますが、防火地域や準防火地域では外壁が耐火構造であれば境界に沿って建築できます。すなわち市街地ではすぐそばの建物で事業や生活が営まれるので、隣人によって生活の静謐がある程度妨げられることは避けられません。

 そこで隣同士が円満な社会生活を継続するためには、発生することが不可避な騒音はお互いにがまんすることが求められます。こうした社会的な受忍限度を超えた場合に初めて法的な問題になります。

 工場の騒音、建設工事の騒音、自動車の騒音、飲食店やカラオケハウスなどの経済活動に伴う騒音を規制する法律はありますが、経済活動と関係のない、いわゆる生活騒音を規制する法律はありません。

 しかし、社会生活のなかで互いに受忍できる限度を超える騒音は不法行為になり、裁判で健康被害を起こすような騒音を発生する行為の差し止めや慰謝料の支払いが命じられることもあります。

 とはいえ、音量がどれくらいで受忍限度を超えるかを一概にいうことはできません。発生音量だけでなく、苦痛に感じる人に到達したときの音量が問題です。したがって、隣家との距離やその間の障壁の有無やその種類で違ってきます。さらに、周囲の環境が閑静か、騒音原因が生活上意味のあることか、騒音回避の措置がとられているか、騒音発生の時間帯、騒音継続の時間、騒音被害の程度など諸々の条件で変わってきます。

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