田代尚機のチャイナ・リサーチ

春節で加速する中国人のギャンブル熱 多くの地方都市で賭博禁止が改めて通達される

夏になると川に入って麻雀をする人も多い(重慶。Getty Images)

夏になると川に入って麻雀をする人も多い(重慶。Getty Images)

「農村で賭博を見つけたら110番を」

 春節休暇に際し、多くの地方政府が毎年、住民の賭博違法犯罪を取り締まる通知を繰り返し出している。

 例えば安徽省公安部では“清風2023”特別行動を展開、法に基づいて農村賭博違法犯罪活動を激しく取り締まり、農村賭博の突出した問題を効果的に解決し、農村社会の風紀を不断に浄化させると発表している。

 賭博場を開設したり、賭博客を集客する組織の経営者、運営者、利益を得るもの、そうした団体の構成員すべてを取り締まるとしている。また、そうした違法犯罪を見つけたらすぐに110番(中国も警察への通報は110番)するよう住民に呼び掛けている。

 日本でいえば雀荘とか、違法に開催される闇カジノのようなものが対象となるのだが、そういうものが、中国各地に存在しており、社会問題化しているということである。友人同士が自宅で賭け麻雀、賭けポーカーを行うようなことも常態化している。

 日本でも2020年5月、高等検察庁の検事長が賭け麻雀を行ったことで辞任に追い込まれている。今の若い人たちには馴染み薄い行為なのかもしれないが、バブル経済が崩壊する頃までは、麻雀はサラリーマンの一般的な遊びであった。単なる遊びといった面だけでなく、取引先やら上司、同僚、後輩などとの関係づくり、社交の場といった面があった。少し世代が遡るかもしれないが、花札などもよく行われた。史実として、暗然と賭博行為が社会の中に広く根差していたのである。

 中国で生活していると、中国社会の深層部に欲に塗れた昭和の“いかがわしさ”が潜んでいると感じることが多いが、その“いかがわしさ”の表側が中国経済の発展、イノベーションを支えるエネルギーとなっているようにも思う。

 中国人が当局の指導に従順になって、賭博麻雀、ポーカーをしなくなった時に、経済成長が続くのかどうか。非常に興味深い問題だろう。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。楽天証券で「招財進宝!巨大市場をつかめ!今月の中国株5選」を連載するほか、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」も発信中。

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