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トヨタ社長交代で何が変わるか 「新社長は豊田章男新会長の“アバター”」「人事権は会長」との指摘

トヨタの次期社長・佐藤恒治氏は豊田章男社長に「そっくり」とも評される(トヨタの佐藤恒治・次期社長/時事通信フォト)

トヨタの次期社長・佐藤恒治氏は豊田章男社長に「そっくり」とも評される(トヨタの佐藤恒治・次期社長/時事通信フォト)

 トヨタ自動車のトップが4月1日付で交代する。13年間にわたり社長を務めた創業家出身の豊田章男氏(66)から、技術畑出身の佐藤恒治氏(53)に経営が引き継がれることになった。3人の副社長を飛び越え、執行役員から異例の抜擢となった佐藤氏の社長就任は大きな話題を呼んだ。

 振り返れば、リーマン・ショック直後の2009年に14年ぶりの創業家出身社長となった章男氏には、数々の逆風が吹き荒れた。

 過去最悪の巨額赤字からの経営再建という難題に取り組もうとした矢先、米国で起きた死亡事故に端を発する「大規模リコール問題」に直面。2010年2月に出席した米議会公聴会では厳しい質問を浴びせられ、直後の社内向け報告会で、涙を見せる一幕もあった。

 その約1年後には東日本大震災が発生。まさに内憂外患の状態が続くなか、組織改革や幹部人事を断行した章男氏には、社内から戸惑いや反発の声も上がったという。

 章男氏の内面に迫るノンフィクションを手がけた経済ジャーナリストの片山修氏が言う。

「それでも章男氏は『責任はすべて私が取る』と明言し、世襲批判が燻る社内での求心力を高めました。クルマづくりにおける設計思想を抜本的に見直したり、カンパニー制導入による組織改編などの改革を進め、業績を回復させていったのです」

 その成果は株価にも表われ、株式時価総額は就任当時と比較して2倍以上になった。販売台数も2位以下を大きく引き離し、世界でただ一つの「1千万台メーカー」となった。純利益は過去最高だった前年に続き、2023年3月期も2兆円超を見込んでいる。

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