中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

昔より厳しくなった「働かないおじさん」への風当たり “出世の道”を閉ざされた人はどう過ごすべきか

職場の「働かないおじさん」問題、自分が同じ立場になったらどうする?(イメージ)

職場の「働かないおじさん」問題、自分が同じ立場になったらどうする?(イメージ)

 ネットで時々盛り上がるキーワードのひとつに「働かないおじさん」という言葉がある。バブル期に大量入社した50代を指すケースが多かったが、最近では、就職活動時の厳しい競争を経て入社した40代の氷河期世代でさえその揶揄の対象となる。まだ定年まで時間があるにもかかわらず出世の道が閉ざされた人たちは、いかにその後の組織人生活、そして満たされた人生を送っていけばいいのか。同世代のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が考察した。

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 私は1973年生まれで、第二次ベビーブームの中でも最も出生数が多い(209万人)年に生まれました。就職活動をしたのは1996年なのですが、1993年ぐらいまでの少し上の世代の就職活動はそれほど大変ではなかったと聞きます。そのため、私も余裕かましていたのですが、結果は1勝16敗。

 なんとか一社に潜りこめたのですが、その当時から「働かないおじさん」は存在していました。私が上司から資料を取ってくるよう言われ図書室に行くと、新聞を読んでいるおじさんがいる。この人は毎回いる。そして、私が深夜残業に入る前、少しでもリフレッシュするか、と近くのジムに18時頃行くと、このおじさんはすでにワークアウトをしているのでした。

 当時はこの手のおじさん社員に対する風当たりはそこまで強くなかったと思いますが、今や若手から怨嗟の声が出ているようです。「終わった人」はまだしも、「産業廃棄物」みたいな言われ方さえされることもあると、先日若者から聞きました。

 1990年代後半の「働かないおじさん」に対する許容度と今は何が違うのか? かつては「働かないおじさんは若い頃は頑張ってきたから、今は暇でも仕方がないよね。自分だってそうなるかもしれないしね」的な鷹揚さがあったように感じます。働かないおじさん側にしても、「オレは若いうちは安い給料で馬車馬のように働いてきた。これからはそれほど仕事はしないまでも、過去の自分が受け取れなかった給料をがっぽりもらいますんで」と考えていた節があります。

 しかし、今の時代の若者は、「年功序列」という言葉さえ「老害」と感じます。現在、安月給に甘んじていて、だからといって自分がアラフィフになった時に給料が上がっている保証もない。だからこそ、「働かないおじさん」が自分より多い給料をもらっていて、それを正当化することが許せないわけです。こうなると「完全成果主義にしてくれ!」と思うことでしょう。

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