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超高額がん治療が続々と保険適用に 「高額療養費制度」利用で自己負担は月6万~8万円程度

発売当時、1年間使用した場合の薬価が3000万円を超えていた「オプジーボ」(写真/共同通信社)

発売当時、1年間使用した場合の薬価が3000万円を超えていた「オプジーボ」(写真/共同通信社)

「がんの治療はとにかくお金がかかる」。そんなイメージを持つ人が多いのではないか。たしかに負担は大きいが、近年、超高額な最先端治療が相次いで「保険適用」になってきた。もし、自分が罹患したらどの治療を選択するか──。

 コロナ禍で、「がん診断の検査数」が減少している。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が言う。

「今年1月に発表された千葉大医学部附属病院などの研究で、コロナ発生後の2020年4月以降、各種がん診断のために行なう保険適用の検査の数が一時的に減少し、その後も減少分を補うほどの回復が見られていないことがわかった。コロナ禍による受診控えは以前から指摘されており、がんが発見されずに進行が懸念される“隠れがん患者”が増えていると考えられます」

 そうした現状を受け、厚労省はコロナによる受診控えががん患者の健康にどんな影響を及ぼしているかを調べるため、中長期的な実態調査を2023年度に始めるという。

 がんは国民の2人に1人がかかる「国民病」とされる。早期発見・早期治療が肝心だが、知らないうちにがんが進行している事態に備えて、今どんな治療法が用いられているのかを知る必要がある。

 入院や手術に備える民間の「がん保険」が普及したように、がんの治療には「お金がかかる」イメージが強い。特に最先端の薬や治療法には「お金持ちだけが受けられる特別なモノ」との認識を持つ人もいるだろう。

 たしかに、新薬の薬価には1回の投薬で数十万円かかるなど“超高額”なものが少なくない。しかし、近年はそうした状況にも変化が見られる。

「この数年で、ノーベル賞クラスの画期的な新薬やロボットによる手術などの特別な医療が相次いで保険適用となり、多くの人が治療を受けられる可能性が高まった」(同前)

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