藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

新NISAの投資戦略 「成長投資枠」に組み入れるアクティブ投信の選び方

アクティブ投信を選ぶ基準

 成長投資枠というネーミングですし、つみたて投資枠とは別で、「成長する資産」を購入するのがよいと考えられます。となると、数年で10倍になることも夢ではない個別株投資を推したいところですが、個別株ならなんでもよいというわけではなく、銘柄選定によっては、逆にマイナスになってしまうことも十分ありえますので、注意が必要です。

 それなりの分析力や経験が必要な個別株に2024年からいきなりチャレンジするというのはハードルが高いもの。そこでもう少しざっくりとした選択でも、それなりの成果が得られる可能性が高いアクティブ投信に注目したいのです。

 ここからは完全にわたしの個人的な戦略なので、あくまでも参考程度にしてください。もしわたしが、NISA枠でアクティブ投信を買うとしたら、日ごろ、自分が個別株を買うときに意識している、以下の3つを基準に選択したいと思います。

【1】日本株限定
【2】小型株
【3】成長株

「なぜ、日本株限定?」と不思議に思われるかもしれません。アメリカのハイテク株を買ったほうが儲かりそうですよね? わたしがアメリカ在住で、英語がネイティブで、該当する銘柄の情報が難なく入ってくるならアメリカ株を選びますが、残念ながらそうではありません。

 投資信託といえども、アクティブ投信なら、組入銘柄がどんな企業か理解する必要があります。日本株の投資信託であれば、組入銘柄について会社四季報を見ればどんな会社か、業績の推移がどうか、など必要な情報はすぐ仕入れることができます。自分にとって理解しやすいという意味で、日本株のアクティブ投信に限定します。

 また、株価の上昇余地を考えるならば、すでに成長している大型の安定株よりも、小型の成長株の方が有利です。知名度の低い小型株を個人で発掘するのは手間や時間がかかりますが、代わりにアクティブ投信の優秀なファンドマネージャーが、全力で分析して選んでくれていますので、そういった投信にこそ手数料を払う価値があると考えます。

現行のアクティブ投信で選ぶなら?

 新NISA制度で、投資信託の買付基準に制限がかからず、既存のもので選べるとしたら、下記3つを候補に挙げます。

【1】企業価値成長小型株ファンド『愛称:眼力』(アセットマネジメントOne)

 ファンドマネージャーの目利き力に定評があり、5年平均リターンは17.89%と同類のアクティブファンドと比べて圧倒的に成績がよいです。

 利益成長や、業績の改善性、経営の健全性、割安度などから約30~60銘柄でポートフォリオを構成。信託報酬が1.6%とアクティブ投信としては低めなのも魅力です。

【2】日興 中小型グロース・ファンド(日興アセットマネジメント)

 時価総額2000億円未満の中小型株を投資対象としています。その中でも時価総額500億円以下の小型株が約35%ともっとも多くを占めています。ニッチなビジネスに参入する新興企業や、ビジネスモデルの再構築などを進める再生企業の中から優良企業を選別。アナリストが企業訪問を行い徹底分析しています。10年平均リターンが20%を超えていますので、長期で持つという選択肢もあります。

【3】MHAM新興成長株オープン『愛称:J-フロンティア』(アセットマネジメントOne)

 高成長が期待できる「新興企業」(取得時において創業25年以下または上場後10年以下の企業を目安)の株式を中心に投資。つねにベンチマークのTOPIXを上回る成績をおさめている優良ファンド。組入銘柄上位には、グロース市場に上場するIT系企業がずらり。個別ではなかなか買いづらいボラティリティが高めの銘柄群ですが、プロがひとまとめで運用してくれる安心感があります。

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