住まい・不動産

不動産売却時の業者選びは「囲い込み」に要注意 買い叩かれない不動産会社の選び方

自宅を売却する際に不動産業者を選ぶポイントは?(イメージ)

自宅を売却する際に不動産業者を選ぶポイントは?(イメージ)

 自宅を売る際に重要なのが、不動産仲介会社選びだ。不動産取引は専門的な知識を必要とするため、「大手だから」「家の近所だから」と漫然と選んでしまうと、痛い目に遭うことがある。埼玉県在住の70代男性が語る。

「2年前、持ち家の売却の仲介を大手不動産会社に相談したら、『1900万円で売れますよ!』と言われました。『意外と高値で売れるな~』と思い、3か月の約束でその会社だけに任せる契約をしたんですが、買い手がなかなかつかない。結局、契約期間終了間際に『1700万円なら買い手がいますが、ここら辺でどうでしょうか』と説得されて、その値段で売ることを決めたんです。

 ところが、不動産売却の経験がある友人にその話をしたら、『それ、ほかの不動産業者に依頼されるのが嫌で、安値でもいいから売り抜いちゃったんじゃない?』と言われた。ネットで調べてみたら、類似物件が2000万円ほどで売りに出されていてショックでした」

 この男性が体験した不動産取引は、不動産業界で「囲い込み」と呼ばれ、問題視されているという。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が解説する。

「不動産取引には、売り主と契約した仲介会社が自ら買い主も見つける『両手取引』と、売り主と買い主はそれぞれ別の仲介会社が担当する『片手取引』がありますが、前者は売り主と買い主の双方から手数料を受け取れるのでうまみが大きい。そのため契約した仲介会社は、他社からの問い合わせを遮断し、買い手を自社の顧客から探す『囲い込み』をする場合が多い。これは厳密には民法の『善管注意義務』違反ですが、現場で横行しています。囲い込まれると、限られた範囲でしか買い手を探せないので、安く買われる傾向にあります」

 こうした囲い込みから逃れるためには、事前の入念な調査が重要となる。

「まずはネットの不動産情報サイトなどを見て近隣で売られている類似物件の相場を把握し、仲介会社に査定を依頼するようにしましょう。その際、極端に高い金額で『売れますよ』などと提示してきた業者は避けたほうがいい。不動産価格には相場があり、会社によって大きく査定が変わることはないからです」(榊氏)

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