トランプ大統領に迫られる“防衛費増額”の財源をどう捻出するのか(Getty Images)
日本経済は「トランプ関税」で大揺れだが、その陰でもう一つの「外圧」が降りかかっている──。
NATO首脳会議は6月25日、トランプ米大統領の要求に屈して、2035年までに加盟国が防衛費をGDP比5%まで引き上げることで合意した。現在のGDPで計算すると年間ざっと50兆円の追加になる。
「ヨーロッパと西洋文明にとっての大きな勝利」
トランプ氏はそう凱歌をあげ、「NATOの同盟国ができるなら、アジア太平洋地域の同盟国も可能なはず」(ホワイトハウスのレビット報道官)と日本にも「GDP比5%」への防衛費増額を迫ってきた。
石破茂・首相は早くも屈した。NATOの決定を受けるや、「最初から金額ありきではないが、日本の判断で必要なものを積み上げていく」と増額受け入れの言葉を語ったのだ。
これでは石破首相が参院選で過半数を確保して続投したとしても、すぐにトランプ氏の強力な「外圧」への対応を迫られる。それはつまり、国民には選挙後の「トランプ防衛増税」が待ち受けているということだ。
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