教育における生成AI利用のメリット・デメリットとは(イメージ)
「この問題を解いて」──そう生成AIに入力すれば、大学教授顔負けの回答が即座に返ってくる。生成AIは便利なツールだが、教育現場では課題も多い。大学生がAIにレポートを“丸投げ”するようになり、各大学がその対策に頭を悩ませている現状もあるが、そうしたわかりやすい弊害だけでなく、今後に向けてより懸念されるのは、小中高といったより若い世代のAIへの依存による弊害だ。
最近では、生成AIを「家庭教師代わり」に使う保護者が増えているという。親も子供もわからない問題でも、生成AIに尋ねれば丁寧に教えてくれるため重宝され、「小学生がわかるように」と指示すれば、平易な言葉で回答が得られるからだ。しかし、AI開発の第一人者である栗原聡氏(人工知能学会会長)は、大学入学前といったタイミングでAIに頼り切りになることを危惧する。
「教育がすべて生成AIに置き換えられる弊害は大きいはず。五感を駆使し多様な物の見方や考え方を育むことが大切です。特に、小中高の時期はAIを使えば使うほど、自分で考える能力が失われていく懸念があります」(以下、「」内のコメントは栗原氏)
その弊害が顕在化するのは10年後だ。
【プロフィール】
栗原聡(くりはら・さとし)/1965年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学理工学部教授。慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了。博士(工学)。人工知能、複雑系、オープンエンド進化などを専門とし、人間とAIの共進化や社会的影響についての研究を行なう。著書に、『AIにはできない人工知能研究者が正しく伝える限界と可能性』(角川新書)、『AI兵器と未来社会 キラーロボットの正体』(朝日新書)など。
※週刊ポスト2026年1月30日号
