株億太郎さんがインフレ下で注目する割安銘柄とは(写真:イメージマート)
日経平均株価は衆院解散・総選挙に踏み切った高市政権への期待感から一時5万4000円台の最高値をつけるなど、昨年来の「かつてない高値圏」が続いている。ただ、市場から見放されているように見えた割安銘柄を次々と発掘し、10億円超の資産を築いた兼業投資家・株億太郎さんは決して楽観視していない。
株高の裏にある危険な兆候
「海外情勢で地政学リスクがこれだけ高まっていれば、普通なら“売り”のはず」と語る株億さん。現実にはそれでも株高が進んでいるが、その裏では“危険な兆候”も見て取れるという。
「ネット証券はもとより、昔ながらの店頭取引の証券会社にはネットに不慣れな高齢者が次々と相談してきて、証券マンも対応に追われている。私の周りでも、昨年は大して株式投資に興味を示さなかった友人が『株を買いたい』と相談してくるなど、過熱している気がします。株式投資の裾野が広がるのはいいことですが、よくわからずに飛びつくのは、私から見てもちょっと怖い。個別銘柄を見ても、およそ5年先、10年先も実現不可能なプロジェクトに飛びついてストップ高になるほど買いが殺到するケースもあり、これは“危険な兆候”としか言いようがない」(以下、「」内コメントは株億さん)
だからといって株式投資から離れるのは機会損失にもつながり、決して得策ではない、と続ける。
「海外で稼ぐ『外需』関連はどうしても地政学リスクがあってちょっと怖い。そこで注目したいのが、『内需』関連です」
「値上げできる会社」が要注目
株億さんが「内需」に注目する最大の理由は「インフレ」だという。
「インフレが進むなか、価格転嫁ができて業績向上が期待できる“値上げできる会社”は要注目です。まして、内需関連企業のなかには“いい資産があって技術もあるのに商売は下手”という会社もあって、それらの多くは市場から見放され、株価も割安に放置されることが多かった。
しかし、外資はもちろん、東証も『株価を意識した経営』を求め、非効率と指摘されてきた『親子上場』を解消する動きも続いています。特にオールドエコノミーといわれてきたような重厚長大の鉄鋼、機械、電機などは構造的な変革が進んでいる。そうした企業再編の波は株価を動かす材料となり得ます。だからこそ今年は内需関連に注目しています」
具体的な注目銘柄のひとつとして、株億さんは、「知名度が低く割安で高配当な飼料会社」という、フィード・ワン(東証プライム・2060)を挙げた。
「日本配合飼料と協同飼料が合併して誕生した飼料で国内2位の会社です。収益源は売上高の8割近い家畜飼料で、食肉が値上がりするなか、当然飼料も価格転嫁が進んでいるので“値上げできる会社”として今後の業績向上に期待しています。
今期(2026年3月期)は設立10周年の記念配当を予定しており、配当利回りは4%近く、増配も期待できます。ただ、社名が一見して飼料会社とわかりにくいこともあって、株価は割安に放置されたまま。社名変更すればもっと知名度が高まるのに……と思いつつ、今後の株価上昇を待ちたい」
株億さんは他にどのような銘柄に注目しているのか。関連記事『《資産10億円超の株億太郎さん厳選!“大化け株候補”5銘柄》期待は「内需」関連 最高益更新続ける“割安”ガス・水道メーター企業など「インフレに強い」隠れたお宝株がザクザク』で詳しく紹介している。
【プロフィール】
株億太郎(かぶおく・たろう)/資産10億円超の個人投資家。株投資歴30年以上。東証上場の割安銘柄を中心に圏外の無名銘柄をマイニング。投資先の会社まで出向いたり、IRに電話もしたりするアクティブ投資家。配当重視、現物主義で利益積み上げ。資産評価50億円を目標にしている。
Xアカウント:@KabuokuTaro
取材・文/入江一
