推し活消費を「メンタル維持費」と考えている人も(写真:イメージマート)
物価高が続く昨今、消費への意欲が低下しがちになる一方で、旺盛なのが「推し活消費」だ。2026年1月に株式会社Oshicocoと株式会社CDGが実施した「推し活実態アンケート調査」によると、推し活人口は約1940万人を突破、市場規模は約4.1兆円に達しているという。推し活の年間出費額を見ると一人あたり約20万円(中央値は約4万円)で、特に20~30代では平均値を上回る出費額となっている。
実際に都内在住で、「推し活」を趣味にしている若者世代に話を聞くと、「恋人を作るよりも『推し』に貢いだ方が良い」という声も珍しくない。彼ら/彼女らにとっての推し活消費はどのような位置づけなのか。リアルな声を聞いた。
毎週のライブ通いも「メンタルを維持するために必要な経費」
都内のネイルサロンに勤務する女性・Aさん(25歳)は、毎月の支出の大半を推し活が占めている。いわゆる「邦ロック」と呼ばれるジャンルのファンで、下北沢や渋谷の、200~400人キャパの小規模ライブハウスに毎週通っている。
特定のバンドのワンマンライブだけでなく、「界隈」全体を推しているため、マイナーバンドが出演する小規模イベントも、「行ける限り行く」というのがAさんのスタンスなのだという。
「月に3万~5万くらいはライブに使っていますね。チケット代は安いので、1回2500円から4000円くらいですが、現地でアルコールを頼んで飲みながら見るのと、やっぱり応援したいので新しいグッズとかCD、そういう物販にお金を落としてあげる感じです。
特定のバンドだけ追っているわけじゃなくて、その界隈を丸ごと応援している感じです。平日の夜にライブをしているケースが多いので、私のような個人事業主のファンとか、大学生、仕事終わりのサラリーマン、あとは職業不明の“いつもいる客”がいて、だいたい顔見知りになっています。友達や知人に会いに行くという意味でも、楽しい時間です」(Aさん)
Aさんにとって、ライブハウスに通い、マイナーなバンドにお金を使うことは「メンタル維持費」という位置づけなのだという。
「正直、このルーティンがメンタルを維持するのに必要なんですよ。手取りも全然多くないですけど、自分が病まないために必要なお金というか。ライブハウスに行って、騒いで、酒飲んで、という日常自体が自分のメンタルを安定させてくれているので、『推し活費用は必要経費』と割り切っています。恋人ができると、逆にメンタルが悪化するじゃないですか(笑)。なので、いまは恋人に使うお金と時間があるなら、趣味に使っている方が自分にとって健全だと感じています」(同前)
